窮鼠猫を噛むの例え、追い詰められた特捜 「人質司法」批判に大博打に出る!人権は何処に行ったと海外メディアからの批判続出!

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窮鼠猫を噛むの例え、追い詰められた特捜 「人質司法」批判に大博打に出る!人権は何処に行ったと海外メディアからの批判続出!

■大昔の背任容疑で「何を今さら」■

 カリスマ経営者が逮捕・起訴された「カルロス・ゴーン事件」は前代未聞の展開となってきた。特捜検察の勾留延長を裁判所が却下するという大どんでん返しが、さらにひっくり返ったのだ。東京地検特捜部は21日、ゴーンの3度目の逮捕に踏み切った。逮捕容疑は、私的な損失を日産に付け替えたという会社法の特別背任だ。

 特捜部によると、ゴーンは自分の資産管理会社と新生銀行との間で「スワップ取引」を契約。2008年10月に契約者を資産管理会社から日産に変更、約18億5000万円の評価損を日産に負わせた疑いが持たれている。さらに、ゴーンはその後、契約者を資産管理会社に戻しているのだが、その際、信用保証に協力したサウジアラビア人の知人が経営する会社に合計1470万ドル(現在のレートで16億3000万円)を入金し、日産に損害を与えた疑いもあるという。

 過去2回の逮捕は、役員報酬の過少申告という金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)だったが、今回は、“本丸”の捜査に入ったということだろう。だが、どうにも疑問だらけなのである。

 そもそも、事件は10年前のことだ。特別背任罪の刑事手続きの公訴時効は7年のうえ、この取引は当時、証券取引等監視委員会が銀行への定期検査で把握し、ゴーンの行為が特別背任などに当たる可能性を指摘していた。ならば、なぜその時に事件化しなかったのか? ゴーンは、「金融当局から違法との見解を得たため損失付け替えは実行せず、日産に損失は与えていない」と否認している。

 東京地検は20日、ゴーンの勾留延長を求めたが、東京地裁に却下された。それで一転、特別背任容疑での3度目の逮捕となったわけだが、裁判所の“裏切り”に検察は焦った筈だ。このままではゴーンは保釈が認められる。娑婆に出てくれば、会見すると言っていたから、検察批判や猛反論が予想される。ただでさえ「人質司法だ」「無罪もあり得る」などと分が悪い検察である。追い詰められた末に大博打を打ったのではないのか。

 元特捜検事で弁護士の郷原信郎氏はこう言う。

「特別背任で逮捕できるのであれば、とっくにできたはずです。金商法による再逮捕は何だったのか。10日間の勾留延長要請は何だったのか。もはやゴーン容疑者を保釈させたくない。後に引けないとの理由で逮捕したのではないか」

■ 検察に詳しいジャーナリストの魚住昭氏の見解■

「特別背任での再逮捕と聞いて、特捜部はゴーン容疑者から供述が取れずに困っているのだろうと思いましたね。裁判で有罪にできる証拠が既にあるなら、無理して10年前の事件で立件する必要も、勾留を長引かせる必要もない。人質司法という批判に検察は『日本人だろうとフランス人だろうと同じ対応だ』と反論するのでしょうが、日本の異常さを、特捜部自ら曝け出しているとしか思えません」

 それでなくとも、特別背任は立証のハードルが高いとされる。その上、今回は日産に与えた損害の算定が難しい。 結局、検察は無理筋を重ねてゴーンを極悪人に仕立てようとしているのではないのか。保釈の可能性が出てきた20日に、ゴーンは弁護士にこう言っている。

「このままでは納得できない。裁判を通じて自分の主張を聞いてもらい、名誉回復したい」

勾留を続けても、今後もゴーンは否認を続ける。検察が期待するような自白を得ることは難しいだろう。ここまで大博打を打って、特別背任で有罪にできなければ、特捜部解体が現実味を帯びる。

■絶対保釈したくない人質司法を見る海外の目!海外メディアも速報で伝えた■

 仏AFP通信は「検察はゴーン容疑者の保釈への期待を打ち砕いた」と報じ、米ブルームバーグも「大どんでん返しが起きた」と伝えるなど、驚きを持って受け止められている。

 今回の容疑でゴーンが勾留されるかどうかは再逮捕から48時間以内の23日午前までに決まるが、過去2回の逮捕容疑とは内容が異なるため10日間の勾留は認められる見込み。勾留期限は12月31日か1月1日で、そこからさらに特捜部は10日間の延長を請求する筈だ。ゴーンは年末年始を拘置所で過ごす事となる。「フランス人にとって、家族と過ごすクリスマスは一年で最も重要な行事のひとつで、仏メディアはゴーン氏に対し『クリスマスを塀の中で過ごす』と同情的です。

 日本との司法制度の違いはありますが、フランスで長期勾留が認められるのはテロリストなどの凶悪犯がほとんどで、ゴーン氏の場合、最初の逮捕時から身柄を取るような容疑なのかと懐疑的な見方がされていました。今回、保釈の可能性が出た直後の再逮捕についても、批判的に報じられています」(聖学院大教授・石川裕一郎氏=憲法・フランス法)

 仏経済紙レゼコーは再逮捕を「何度目にもなる新たな急展開」と皮肉り、「検察はゴーン容疑者の勾留をできる限り長く維持するため、訴追を“小分け”することを決めたようだ」と断罪した。

“人質司法”と呼ばれる日本の刑事手続きに向けられる海外の目は厳しい。ゴーン勾留のさらなる長期化で、日本の司法制度に対する国際社会からの批判が高まることは必至だ。

(私見)

「人質司法」の批判について、海外の批判は厳しいものがあるが、これに限らず、次々に起こる「日本の特異性」について、「海外からの批判」が多発している。現在日本の国家の基本指標の多くが、先進国中低位に甘んじている。政府は、そういう数字を隠蔽する傾向が極めて強いが、ここに来て、海外にそのような実態がオープンになり、日本の閉鎖性が明らかにされる傾向が出てきた。安倍首相の政治手法も、国際的に見れば極めて異例で、日本人は「こんな非民主的なやり方をよく許容している」等と思われる事例も多い。 

 カルロス ゴーンのような名の知れた外国人を不当且つ長期に拘留するということは、国際的に跨った問題となるので、「日本的人権無視の考え」は国際的に非難を浴びる公算が大だ。相手は「権利意識が高い」フランス人のゴーンだ。日本人のようにお上に盾突かないという様な人格ではない。堂々と権利と日本の検察の不当性を押しまくってくる。またその経緯を国際的監視に晒しまくることになるから、日本の検察も国内案件の様にうやむやに出来ない。それもゴーンに対する立件が完璧に整っている上の話だが、どうやらいろいろ問題含みらしい。特捜部のカケと言われる所以である。

 安倍内閣になってから、司法界の「独立性」が曖昧になってきている。司法が司法として機能していない。本来なら捜査対象になるべき事案が、捜査対象にもならない。そればかりか、その事実を隠蔽する動きや、改竄して、存在してなかったことにするような動きが平然と行われている。

 そういう環境の中で、このゴーンの事案は起きている。かたやゴーンの件は、検察が下手を打てば、国際的な批判に晒され、それならば「国内の隠し通されている案件」は何故捜査対象にならないのかという批判の巻き返しが起こる可能性がある。折角隠し、誤魔化し通してきた「権力の犯罪」が、再び明るみに出るということだ。しかも国際的監視の舞台に晒される。国内のような権力の「論理」が通りにくくなる。国内で押さえつけ、国民が忘れ掛けている案件が、海外からの「批判の逆輸入」によって、安倍政権の息の根を止めるモーメントになるかもしれない。

記事・画像 引用・参考元 日刊ゲンダイ 

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画像元 yjimage

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