グアム島を訪れ、水当たりなどを起こすのは、日本人が圧倒的に多いという!昨今「除菌・抗菌・殺菌・・・」などという言葉が持てはやされ、家の中から、体中に至るまで、「菌」を除去しまくっている風潮がある。菌を排除し、安心しまくっていると逆に痛い目に遭う!
我々の生活環境には無数の菌が存在している。我々の体をみても、口、鼻、胃、腸、皮膚など、全身に亘り、常在菌と呼ばれる菌が存在する。これらの菌には、それぞれの役割がある。病原菌の侵入を防いだり、免疫バランスを保ったり、必要な栄養素を作り出している。常在菌のおかげで健康が保たれているのです。問題なのは、除菌・抗菌が溢れかえっている環境下で、我々にとって有益な菌まで殺してしまうことの弊害です。
腸には1000兆に及ぶ腸内細菌が存在しているが、食物の消化、病原菌の排除、ビタミンBやCの合成、セロトニンやドーパミンの前駆体の生成と運搬、免疫力のアップなど生体にとって有益で多様な働きをしている。腸内細菌は、種類や数が多い程、免疫力は高まる。それが戦前に比較して、1/3程に減っている。食生活の変化もあるが、除菌や抗菌の行き過ぎた生活環境も大きく関与している。こういった腸内細菌への悪影響が、50年前には見られなかった、花粉症、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎といった新たな病気を生んでしまった。過度の除菌・抗菌が原因だ。
皮膚に存在する、アクネ菌やブドウ球菌といった常在菌は、皮膚表面にある脂肪を食べて分解し、皮膚に弱酸性の膜を作ることが知られている。この膜が水分を保ったり、アレルギーの原因と言われるアレルゲンや、病原菌の侵入を防いでいる。除菌タイプの石鹸やシャンプーを使うと、この常在菌は洗い流され、皮膚の角質が剥がれて、脆くなり、アレルギー物質の侵入を容易に許してしまう。斯くしてアトピー性皮膚炎の原因になったりする。また同時に水分が抜け、ドライスキンになる確率が高くなる。悪い菌は洗い流したいと思うが、洗い過ぎは逆効果に陥る。常在菌が作る酸性の膜がありさえすれば充分守ってくれるのだから「過ぎたるは及ばざるが如し」になってしまえば本末転倒だ!
石鹸やシャンプーを使うと、1回で90%の常在菌が流されてしまう。若者なら12時間で元の状態(常在菌の復活まで)に戻るが、中・高年層は、20時間を要す。したがって毎日洗髪や、皮膚を洗っていると、常在菌が存在できない状態を作り出すことになる。したがって40歳を過ぎたら、2回に1回は水洗いで済ますことが賢明だ。(なにも好き好んでアトピー性皮膚炎になりやすい環境を態々作ることはない!)
排便の後の洗浄も使い過ぎると問題が起きる。皮膚常在菌は肛門の周囲にも存在し、同じく膜を作って、有害な菌が侵入しないようにブロックしている。過度の洗浄はこの常在菌を洗い流し、膜も洗い流してしまい、皮膚炎や、膿症を起こす可能性もあり、それにより敗血症に至る場合もあり、命に関わる場合すらあり得る。
歯磨きのやり過ぎも注意が必要である。頻繁に歯磨きや、マウスウォッシュをしていると、虫歯菌(コッカスミュータンス菌)を駆逐している菌を洗い流してしまったり、粘膜を傷つけたりしてしまう。折角虫歯にならないために行っている歯磨きが却って虫歯を誘発してしまうという「皮肉な現象」がここでもみられる。
小生は整理整頓に欠け無精な面があり、何時ぞや、前述のようなことを、不覚(!?)にも家人に話したことがあった。そうしたら「(体に余計な病気をしないために)、態々部屋の中を汚くしているわけ!? 風呂も(余り)入らないわけ!?」とさっそく手痛い反撃に遭ってしまった!(;´д`)トホホ!
確かに有害な菌は存在するが、現状の日本の衛生環境を考えると、過剰に神経質になる必要はない。行き過ぎた除菌・抗菌は、却って生体を守るメカニズムを壊し、病気を呼び込んでしまう。本末転倒だ!まさに「過ぎたるは及ばざるが如し」である。
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