北朝鮮ミサイル「迎撃難しい」は本当か! 脅威を煽り税金投入も!制裁一辺倒の姿勢で展望はあるのか!?
14日、北朝鮮がまた弾道ミサイルを発射した。ミサイルは30分かけて約800キロ飛行し、日本海に落下。到達高度は過去最高の2000キロまで上がり、実際の射程は4000キロを超えたとみられている。稲田防衛相は「新型の弾道ミサイルだった可能性がある」と語った。安倍政権はことさらに“危機”を強調しようとするが、これはアメリカの武器を買う為の何時もの口実だ。
「4000キロあればグアムに到達する可能性があります。新型ミサイルかもしれませんが、これまでの中型弾道ミサイルから少し飛距離が伸びた程度で性能が飛躍的に上がったとは言えません。北朝鮮はトランプ政権を本気で怒らせないように、通常より角度をつけて高く打ち上げて飛距離を抑える『ロフテッド軌道』を用いたのでしょう。ロフテッド軌道を使うと高度が高くなる分、落下速度が上がりますが、弾道ミサイル1発なら、イージス艦の『SM3』と地上配備型のPAC3の2段構えで防ぐ今の迎撃体制で対処できます」(軍事ジャーナリストの世良光弘氏)
ところが、今回の北朝鮮のミサイルがロフテッド軌道を取ったことで、「迎撃が難しくなった」との分析が一部にある。弾道ミサイル防衛(BMD)強化のため、新システム導入を急いでいる安倍政権にとっては、“待ってました”だろう。政府は地上配備型迎撃システム(THAAD)と、地上配備型イージス「イージス・アショア」を軸にBMD強化を進めようとしている。
「政府はこれまでの2段構えを3段構えにする方針ですが、何れにせよ巨額の税金が必要になります。THAADの調達費用は1基あたり約1250億円で、日本全域をカバーするには最低6基が必要です。これはあくまで“上物”の費用で、用地取得費などを含めると実際の費用は2倍近くかかるでしょう。しかも、運用には1基2000億円するXバンド・レーダーが必須。あれよあれよという間に予算は2兆円に達するはずです。しかも日本がTHAADの準備を進めている間に、北朝鮮が一段とミサイル技術を向上させてくる可能性が高い。私はBMD強化が税金のムダとは思いませんが、費用対効果を考えれば、調達価格が2基で1600億円程度で済むイージス・アショアで十分だと思います」(世良光弘氏)
政府は04年度以降、BMD整備費に予算をつぎ込み、今は当初想定していた2倍規模の1兆5000億円以上に膨らんでいる。さらにTHAAD導入なんてことになれば、3兆円以上の血税がムダになる。さすがに政府内でも、コストが安いイージス・アショアを推す声が強まっているようだが、今回のように新型ミサイルの脅威が高まれば、これ幸いと安倍政権が“THAAD必要論”を唱え始めるかも知れない。
少なくとも、安倍政権が煽ろうとする“脅威”は疑った方がいい。危機を煽り、相変わらずの「制裁一辺倒」の「これしかない」の姿勢だが、米・北朝話し合いの流れも出てきており、情勢は変わりつつある。
記事・画像 引用・参考元 日刊ゲンダイ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/205391/1
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