憲法改正とセットで持ち出した「教育無償化」はウソ! 自民が大学授業料“出世払い”提言のマッチポンプの唖然!
安倍首相が「憲法改正で高等教育を無償化する」と唐突に言い出したが、一方で、自民党の教育再生実行本部が高等教育に関して別の政策を近く提言するというからさっぱり訳が分からない。
教育再生実行本部がまとめている案は、大学の授業料を国が一時的に肩代わりして、支払いを卒業後に先送りできる新制度をつくるというもの。日本学生支援機構の貸与型奨学金とどこが違うのかと思うが、機構の既存制度が月額3万~12万円程度であるのに対し、自民党案は「授業料を国が立て替え、在学時は学生は払わないで済む」というものだ。返済も機構では、貸与終了から7カ月後に始まるが、自民党案では、卒業後、収入が一定額に達するまで猶予する。所謂“出世払い”というやつだ。
いずれにしても返済義務があり、安倍首相の言う「無償」ではない。自民党内では無償化の財源をどうするのかなど、否定的な意見が根強いからだ。元来、自民党は教育無償化に消極的で、民主党政権時代の高校無償化を「バラマキ」だと批判、政権奪還後に所得制限を設けた程だから、「高等教育無償化」なんて本気でやるつもりはないと言われても仕方がない。。
■「(そもそも)前提自体が間違っている」■
加えて、自民党案は現実から乖離した“時代遅れ”のいうか現在の若い人の実態を見ていない政策だ。簡単に「出世払い」というが、年齢を重ねても給料が殆ど上がらないのが現実の姿だ。日本学生支援機構の奨学金を返済できない事例の激増が社会問題化しているのに、若年世代の借金を更に増やすつもりなのか。サラリーマンは給与天引きで返済という有無を言わせぬ制度でもある。
■経済評論家の斎藤満氏の見解■
「出世して給料が上がるという前提が基本的に間違っています。今や大卒の4割が非正規雇用のうえ、正社員になれたとしても昇給する保証はない。実際、正社員の所定内給与は上がっていません。返済時期を猶予したところで、いつ返せるようになるかもわかりません。結局、自民党案は「ローン」なのですから、返済に窮し、その結果、結婚できず、子どもも持てない人が増え、少子高齢化が加速するばかりです。教育国債の話もそうですが、政府や自民党の『教育』に対する考え方は、あまりに場当たりでご都合主義です。憲法改正のためとか、教育費のためだからと財政赤字を正当化するとか、『教育』を政治の材料に利用している。憲法改正の刺身のツマ程度の構想で本気で学生のことなど考えていないと言われても仕方がない代物なのです」
第1首相が唐突に持ち出した、「高等教育無性化」とどう整合性を取るのだろう。憲法改正も自民党内で積み上げてきた構想と、唐突に首相が持ち出してきた、憲法9条第3項自衛隊書き加えという場当たりとの整合性の問題と全く同じ構造だ。
記事・画像 引用・参考元 日刊ゲンダイ
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