創価学会員50人に聞いた 「あなたは共謀罪をどう思っていますか?!賛成ですか?!」
内心を罰することから、平成の治安維持法ともいわれる「共謀罪」。戦時中、創価学会初代会長の牧口常三郎氏と、2代目会長の戸田城聖氏は、治安維持法違反で投獄され、牧口氏は終戦直前に獄死した。
支持団体がそんな歴史を持つのに、公明党は自民と維新とタッグを組んで、18日に共謀罪の衆院採決を強行する気だ。創価学会の人々は共謀罪をどう見ているのか――。本紙記者は12日、創価学会総本部をはじめ、関連施設が集中するJR信濃町駅周辺で、学会員を直撃。20~80代の男女50人(男18人、女32人)から回答を得た。
■「皆、ピンときていない」■
「中身がよく分かりません。公明党は賛成しているのですか」(50代女性)、「知らん。興味ない」(60代男性)、「名前は聞いたことがある」(20代男性)。
意外にも圧倒的多数は「分からない」で、38人にも上る。熱心な選挙運動を展開する学会員にしては、あまりにも“ノンポリ”である。
「外からは学会は“一枚岩”に見えるでしょうが、左から右までいろんな人がおり、政治テーマを常に散々議論しています。一昨年の安保法案は、戦争に関係する話で婦人部も敏感でした。私も時間がかかったが、公明党の説明を何とか納得した。ただ、共謀罪は学会内で話題にすらなっていない。テロ対策など自分には関係ないと思っていて、皆、ピンときていない。私も詳細を知りません」(60代男性)
賛否を鮮明にした人のうち、「TOC条約に加盟して、国際的にテロ対策をできるようにすべき」(70代男性)、「五輪もある」(40代女性)など賛成は7人。一方、「対象がテロ以外にも広がりそう」(30代男性)、「もっと議論すべき。今国会で成立させる必要はない」(70代男性)など慎重派は4人いた。
そんな中、断固反対が1人いた。戦前生まれの80代男性だ。
「共謀罪は絶対ダメだ。ちょっとでも怪しい国民を見つけたら、憲兵や特高がやってきて捕まえる。やりたい放題です。私は小さかったが、当時の雰囲気を今でも覚えていますよ。牧口、戸田先生だけではない。ほとんどの宗教は治安維持法でやられました。若い人には分からないのでしょうか」
やりきれない表情でそう嘆いていた。創価学会内が“圧倒的無関心”の中、共謀罪は成立しようとしている。牧口初代会長は草葉の陰で何を思うだろうか。
記事・画像 引用・参考元 日刊ゲンダイ
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