【加計学園】NHKがスクープした「萩生田メモ」渦中の前川さんはこう読んだ
加計学園問題で渦中の人物となった文科省の前川喜平・前事務次官はNHKがスクープした、通称・萩生田メモをどう読むのか?BuzzFeed Newsの取材に応じた。
「加計学園」の獣医学部新設について文科省が公表した「10/21 萩生田副長官ご発言概要」と題する文書(萩生田メモ)。
そこには「官邸は絶対やると言っている」「総理は『平成30年(2018年)4月開学』とおしりを切っていた」といった言葉が記されている。
萩生田光一官房副長官は事実関係を否定し、文科省も「正確性に欠ける」としている。
文科省によると、文書は萩生田氏が常盤豊・高等教育局長に話した内容を、文科省専門教育課の課長補佐が聞き取って作ったものだという。課長補佐は萩生田氏・常盤氏の発言と内閣府から集めた情報を混在させていたとされる。
取材に対し、前川氏は「あのペーパーそのものは、見た覚えがない」としつつ、次のように述べた。
「ただ、去年(2016年)の10月下旬くらいの時点で、かなり状況は切迫してきたな、と。官邸側も萩生田さんも含めて、なんとしても11月には(新設する獣医学部を)決めるんだという、かなり強い圧力がかかってきたなという記憶はあります」
前川さんはこう続ける。
「あのペーパーに書いてあることが、本当に全部萩生田副長官がおっしゃった事かどうかは、確かに検証してみる必要があると思います。私がざっと読んだ限りでは、主語が本当は3つぐらいあるのではないかと思うんです」
「全部、萩生田さんが言ったことではなくて、和泉(洋人・総理大臣補佐官)さんが言ったことを、萩生田さんの口から伝えられたと書かれている部分もある。その後に書いてあることも、言ったのは和泉さんかもしれない部分がある」
「それを、常盤局長が課長補佐に伝え、聞き書きしたという文書ですから、常盤局長が自分の言葉で言ったものが入っているかもしれない」
「だから、和泉さんが喋っていることと、萩生田さんが喋っていることと、常盤さんが喋っていることが混在している可能性がある」
「正確性」とは何を指すのか?
松野博一文科大臣は「著しく正確性に欠ける」と発言したが、この「正確性」とは何を指すのか?
◆前川さんの見解はこうだ◆
「正確性というのは『誰が言ったか』という点ですね。誰かが言った、ということは事実だろうと思います。注意しながら読んだ方がいいのですが、あの文書に意図的にウソを書いたとか、ねつ造したということはないだろうと思います」
この間の「加計文書」についての検証では「覚えていない」とか「わからない」といった回答が多く出てきている。
本来なら、関係者のメールを「全部出す」調査、問い合わせをして事実を詰めていくこともできるはずではないか。質問に、前川さんはこう答えた。
「本当ならできるはずです。知る権利を具体化するための仕組みが、もっとちゃんとできていないといけない」
「曲がりなりにも情報公開法という法律ができたり、公益通報者保護法もできたりしているので、世の中、少しずつ進歩はしている。だけど、まだまだ足りないですよね」
一連の問題で、もっとも大事な点は情報公開、透明性、決定までのプロセスの検証である。前川さんは何度も繰り返した。
記事・画像 引用・参考元 Yahoo News <BuzzFeed Japan / 石戸諭、渡辺一樹>
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