特捜部のゴーン逮捕は「乱暴で危険」! 元検事・郷原氏が指摘!
日本の検察は「ドウカシテイル」――。こんなため息が聞こえてくるようだった。
26日、元検事の郷原信郎弁護士が「日産・カルロス・ゴーン事件と『日本版司法取引』」をテーマに外国特派員協会で会見。出席した外国人記者からは、特捜部捜査に対する疑問が噴出した。
ゴーン容疑者がパクられた理由は、退任後に受け取るはずの報酬(計50億円)を有価証券報告書(有報)に記載していなかったからだ。他にも、会社の投資資金や経費を私的に使うなど、会社を私物化してきた実態が判明しているが、郷原氏はゴーンの逮捕事実そのものに無理があるとして、こう主張した。
「検察は、(報酬の)支払いの約束について有報に記載する義務があるから記載しないと犯罪にあたると言っているが、その点について重大な疑問があります。例えば、役員が退職する際に支払われる役員退職慰労金が、有報の役員報酬の欄に記載されたという例を聞いたことがありません」
外国人記者から「(ゴーン逮捕に)何か特別な事情があったのではないか」と質問が及ぶと、郷原氏は「今回の逮捕は非常に拙速に行われたと考えている」と答えた上で、「(ゴーンのような)経済・社会に極めて重大な影響を生じさせる人物を逮捕する場合、検察が事前に相当な準備をして証拠を固め、法的な検討を行った上で逮捕するのが普通」「逮捕の時点で、『何が隠された役員報酬なのか』すら全然分からなかった。検察は十分に検討しないまま、ゴーン氏を逮捕できるチャンスだと考えたのでは」と疑義を呈した。
更に外国人記者から逮捕の背景について尋ねられた郷原氏は「分からない」としながら、こう続けた。「何らかの組織的な検討、つまり、法務省の中での検討をしっかり行った上で慎重に捜査するのが当たり前。最近の特捜部の捜査を見ていると、かなり乱暴で危ない。(ゴーン逮捕は)ちょっと常識では考えられない」
「日本では三権分立が成り立っているのか」。外国人記者はこう憤りの声を上げていたが、法務・検察には耳の痛い言葉ではないか。
(私見)
日本では、既に3権の長は、1人に独占されている。だが、それと今回のゴーン逮捕劇は違った側面があることを知らねばならない。それは国内のうちでは、成程独占状態であるが、対外的には、そんなのは認められていないからだ。故に日本ではスンナリ通る「非人権的な」扱いは、必ず外国から非難される。ある意味其れは首相にとって、予想外の事態を呼ぶかもしれない。本来は国内のメデアなり、野党の力によって、押し戻さなければならないことだが、マスコミは、自らの「監視の役目」を納め、あろうことか権力のお先棒を担いで始末である。斯くして国内の力では如何ともしがたい状況に堕ちてしまっている。外国の批判の目で現政権を晒すしか開ける道はないだろう!悲しいかな。
記事・画像 引用・参考元 日刊ゲンダイ
画像元 yjimage
,
コメント