首相の「アベノミクス礼賛」の蔭に、忍び寄る“平成大不況”…8月の倒産件数は5カ月ぶり増加!庶民・地方には好況の実感相変わらず無し!
風向きはガラリと変わった。10日、東京商工リサーチが発表した8月の倒産件数は5カ月ぶりに増加した。しかも前年同月比8.6%増と、かなりの勢いで倒産は増えている。
人手不足倒産が過去最多の45件を記録。これが全体の数値を押し上げたのは間違いないが、人手不足は何も今に始まったことではない。“5カ月ぶり”には別な理由が潜んでいる。
「消費者に近いところの倒産が増えています。小売業や外食、卸売業などです。消費の低迷によって、体力の弱った企業がバタバタ倒れている」(東京商工リサーチ情報本部長の友田信男氏)
小売業の倒産は2カ月連続で増加し、8月は前年同月比17.9%増だった。居酒屋やビアホールなどの酒場は同63.6%増を記録した。
「小売業はニッパチといって、2月と8月に売り上げが落ちる傾向があります。今夏は百貨店のバーゲンセールも不発だった。深刻な消費不況に襲われたのかもしれません」(株式評論家の倉多慎之助氏)
記録的な猛暑のマイナス効果を指摘する声もある。あまりの暑さに外出を控える人が続出し、デパートや専門店の売り上げはガタ落ちしたというのだ。
「猛暑による間接的な倒産は無視できないでしょう。外出回数を控えるため、食料品は週に1回、大手スーパーで済ませるという主婦は多かったと思います。そうなると、小さな商店はパタリと売れなくなります」(流通関係者)
だとすれば、猛暑が一段落する秋以降、倒産件数は落ち着くのか。
「この先、倒産は増加するのではないかと思う。理由のひとつは、来年10月の消費税率の引き上げです。税率アップは、中小企業の経営を直撃する恐れが高いといえます」(友田信男氏)
中小企業が増税分を価格に上乗せできても、最終的な小売価格は値上がりするから、売上高は減少しかねない。
友田氏によると、中小企業(約400万社)の4割が減収減益に直面しているという。来年5月の改元を前に、倒産激増、平成は終わるが、最後の“平成大不況”がやってくるかもしれない。
(私見)
首相は、アベノミクスの成功とばかり、好況をアピールするが、大企業・富裕層は別にし、国民の大多数を占める庶民には、全く好況感は全くない。中小企業は、バタバタと倒れていく。消費税が2%アップする。今でさえ、カツカツの生活を強いられている庶民には過酷な状況がまたやってくる。消費は低迷し、企業にとっても良い状況にない。こういう悪循環を何時までも続けるのか。日本は疲弊するばかりだ。
記事・画像 引用・参考元 日刊ゲンダイ
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