水中で毎時1.5シーベルト=1号機格納容器底1メートル―ロボット投入・福島原発!廃炉作業遅れ免れず!
東京電力は19日、福島第1原発で溶け落ちた核燃料(デブリ)がたまっているとみられる1号機格納容器底部の水中で、毎時1.5シーベルトの放射線量を測定したと発表した。
水中で比較的高い線量が確認されたが、東電はデブリの有無について「今回のデータでは明らかになっていない」と説明している。
東電によると、毎時1.5シーベルトの放射線量は18日に投入したロボットが作業用足場からつり下げた線量計によって測定。測定場所は格納容器底部から1メートルの高さの水中で、同じ線量を人間が浴び続ければ、5時間弱で死亡するほどの値だった。水は放射線を遮る性質があり、近くに高い線量を出す物が存在している可能性もあるが、原因は分かっていない。
東電が公表した写真では、水中にポンプのバルブとみられる物も写っていた。格納容器底部に堆積物があるかどうかは不明で、今後周辺の放射線量などを測定し、デブリの有無を調べる。
記事・画像 引用・参考元 Yahoo News <時事通信>
福島第1、廃炉作業に遅れ=汚染水百万トン超、費用膨らむ恐れ-東日本大震災6年
甚大な被害をもたらした東京電力福島第1原発事故の発生から11日で6年を迎える。この1年の廃炉作業は工程の遅れが目立ち、延期を余儀なくされる事態が相次いだ。タンクや建屋にある放射能汚染水は3月初めの時点で102万トンを超え、今後も増え続ける。政府は昨年、廃炉にかかる費用が総額8兆円に上るとの見通しを示したが、さらに膨らむ恐れがある。
廃炉費用の一部は、東電が2012年9月から値上げした電気料金に含まれ、利用者に転嫁されている。政府は20年度以降、電力各社のうち東電だけは送配電網の利用者が支払う使用料を値下げせず、さらに多額の費用を捻出する方針。利用者は新電力に切り替えた場合でも負担を迫られる。
汚染水問題ではこの1年、誤算が続いた。保管用のタンクは16年度早期を目標に、漏れにくい溶接型に切り替える予定だったが、汚染水の増加に建造が追い付かず、達成を2年以上先送りした。過去に大規模な漏えいが起きた簡易型も使い続ける。
汚染水の増加要因となっている地下水の流入を抑えるための「凍土遮水壁」も、なかなか効果が表れない。東電は凍土壁によって1~4号機の海側でくみ上げている地下水の量が、凍結前の1日平均400トンから70トンまで減ると説明していたが、実現していない。ただ、雨が少ない冬になってくみ上げ量は減っており、東電は「効果が出てきた」と主張する。
3号機原子炉建屋のプールに残る使用済み核燃料の取り出し作業も、想定通りに進んでいない。プールには使用済み燃料が514体、未使用が52体あり、東電は18年1月に取り出しを始める計画だったが、今年1月に見直して「18年度の中頃」とした。延期は15年6月に続き2回目となる。
1、2号機のプールにも使用済み燃料がそれぞれ292体と587体ある。大破した1号機原子炉建屋では、がれき撤去の前段階として調査が行われており、爆発を免れた2号機は建屋内部の調査に向けた準備が進められている。
最大の難関とされる溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出しに向けた作業では、大きな変化があった。1月下旬に2号機格納容器に入れたカメラで、圧力容器下の状況が初めて判明。撮影できたのは一部だが、作業用足場などに堆積物が見つかり、デブリの可能性も指摘された。だが、その後投入した自走式ロボットは足場に到達できず、堆積物の正体は不明のままだ。
政府と東電は今年夏までに、1~3号機のデブリ取り出し方針を決定するとしている。1号機と3号機も原子炉内の調査を進める予定だが、難航が予想され、デブリの位置や形状の把握は難しい状況が続く。
記事・画像 引用・参考元 Yahoo News <時事ドットコムニュース>
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