脳腸相関!脳と腸は相互に影響しあっている!ストレスは「過敏性腸症候群」発症の引き金になる!
戦後原因不明の病気が多発しています。検査しても原因が解らず、頻繁に下痢や便秘に見舞われ、腹痛に悩まされる「過敏性腸症候群」。症候群という付く病名は、数多くありますが、その意味は、有体に言えば、「何が何だかさっぱり原因がわからん病気」という意味です。
実はこの病気、腸だけに着目していては、その全貌を掴めません。発症のきっかけになるのは、「ストレス」ですが、脳がストレスを感じると、自律神経のバランスが崩れ、同時に脳からストレスホルモンが分泌され、腸に大きなダメージを与えてしまいます。その影響として、腸の過剰反応を引き起こし、痙攣を起したりします。
この様に、腸と脳は密接な関わりを持っているのです。こうした関係を「脳腸相関」といいます。脳の不調がお腹を壊す原因になるばかりか、腸の不安定が脳を混乱に陥れることもあります。腸に病原菌が感染すると、脳に不安感が増したり、腸内常在菌が、脳の機能に影響を与えるとの研究もある。
生後18~27ヶ月の幼児の腸内細菌の種類と、構成比を調べ、健康状態や、性格について、彼らの親にアンケートを取った調査結果がある。オハイオ州立大学の調査である。腸内細菌の多様性があればあるほど、好奇心旺盛、ポジティブ、社交的な性格特徴が認められたという。
脳腸相関については、未だ未知の世界で、解らないことが多いのだが、過敏性腸症候群などの引き起こす自律神経のアンバランスと共に、大きな影響を与えているものに、「セロトニン物質」の存在がある。神経伝達物質の一種であるセロトニンは、高度な情報のやり取りの場に多く存在していると思いがちだが、実のところ、その90%は、小腸などの消化管に存在している。
腸は脳と独立した神経ネットワークを持ちながらも、脳と相互に影響しあっているのだ。このため、腸は「第2の脳」と称される所以がここにある。
因みにセロトニンは、アミノ酸の一種である、「トリプトファン」という物質で、これが不足すると、セロトニンの働きが激減する。トリプトファンを多く含む大豆、アボカド、バナナなどを摂取すると、神経伝達機能が活性化され、脳の機能が整えられる。
お腹の不調、イライラ(ストレス)、不安感は、脳や、腸に、即ち脳腸相関に悪影響を与え「過敏性腸症候群」を助長していく。休息、レクレーションを適切に取り、クヨクヨせず、気持転換をし、気分を爽やかに保つことも大いに必要なことである。
[日刊ゲンダイ 健康コラム参照]
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