おたふく風邪流行の兆し!子供の感染症!大人が罹るとヤバいことに!決して甘く見てはいけない!

おたふく風邪流行の兆し!子供の感染症!大人が罹るとヤバいことに!決して甘く見てはいけない!

 

おたふく風邪(=流行性耳下腺炎)や、子供の夏風邪(=ヘルパンギーナ)は、凡そ4~5年周期で流行る傾向があるが、前回は2010年に流行したのだが、今年はそれ以来の流行の兆しがあるという。

 

国立感染症研究所の話によると、1医療機関当たりのおたふく風邪の患者数が、1.13人、県別にみると、宮崎が、3.03人、佐賀2.91人、鹿児島1.95人、福岡1.76人と何故か九州地区に広がっている。因みに他のエリアでは、大阪1.27人、神奈川1.22人、埼玉1.44人など大都市圏でも流行の兆しがある。(いずれも28年6月20~26日の集計値)

 

弘邦医院(東京葛西)の林雅之院長のはなし。従来は秋から春先にかけて、流行する傾向が強かったが、今は季節に関係なく発症する傾向にある。「ムンプスウイルス」が原因菌であるが、くしゃみや、咳などを介して拡がります。そのため学校などで集団発生しやすい。18日前後の潜伏期間があり、最初は首に痛みが出る。その後耳の付け根から顎に掛けて耳下腺に腫れが出て、10日間くらい、うまく噛めない、呑み込めない、会話に支障が出るなどの症状に至る。この間は発熱、嘔吐、頭痛、腹痛を伴う事が多い。

 

患者の9割は、15歳未満の子どもであるが、成人が罹ると重症化し、非常に厄介な病気である。40度を超す高熱になる患者もおり、それがもとで、精巣炎や、睾丸炎になり、15歳以上の男性に、精子が全く作れない「非閉塞性無精子症」になるリスクがある。こりゃあ!一大事だ!また女性においても、「卵巣炎」になる可能性も高い。また、ウイルス性髄膜炎の危険性もある。脳や脊髄の周辺にある保護膜が炎症を起こす病気で、おたふく風邪に至った患者の数パーセントではあるが発症する。他に心筋炎、膵炎、難聴、甲状腺炎、溶血性貧血なども伴う事があるので注意が必要である。

 

これだけではない!糖尿病の発症リスクを飛躍的(!?)に高めるという厄介な面を持つとされている。突然膵島細胞(=膵臓のランゲルハンス島)が破壊され、インスリンが全く出なくなるⅠ型糖尿病は、自分で自分を攻撃してしまう「自己免疫疾患」だといわれていますが、その中には、発症以前に、上気道炎などの感染兆候が見られるものがある。そのため、以前からウイルスが糖尿病発症に関わっているといわれていた。事実ウイルス感染で死亡した小児の膵臓を解剖したところ、「コクサッキーB群ウイルス、サイトメガロウイルス、先天性風疹」などのウイルスが検出されている。

 

他に「風疹ウイルス、EBウイルス、ロタウイルス」などが、Ⅰ型糖尿病に関連するといわれるが、おたふく風邪の原因菌である、「ムンプスウイルス」もその一種とされています。

 

徐々に血糖値が上がり、症状が緩やかに表れる「Ⅱ型糖尿病」と違い、Ⅰ型は数ヶ月という短期間で悪化する。中には1週間で悪化するというケースもあり、数時間のうちに、多尿、嘔吐、腹痛などの症状が表れ、進行すると、昏睡や意識障害に至り、最悪死亡する場合もある。以上は、辛クリニック(東京西蒲田)の辛浩基医院長の話でした。

 

10年振りの流行の兆しがある本年ではあるが、以上述べてきたように、重篤な合併症に至る危険性があるので、子供の感染症を甘く考えてはいけない! 嗽や、手洗い、マスクの装着など感染症予防策がここでも必要だ。                         (日刊ゲンダイ 健康コラム参照)

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