秋は死者が急増! 深刻な脳卒中から身を守る7つの注意点!
深刻な脳卒中から身を守る7つの注意点
「老親は今年の冬を無事越せるだろうか」――。日々高くなる秋空を見上げながら心配している人も多いのではないか。2015年の厚生労働省人口動態調査によると、1年間で最も多くの人が亡くなるのは冬(12~2月)。夏(6~8月)の1.3倍で、秋はその中間だ。とくに気をつけたいのは年間約11万人が死亡する脳卒中。何に注意したらいいのか? 「赤坂パークビル脳神経外科」(東京・港区)の福永篤志医師に話を聞いてみた。
◆寒暖差10度超は要注意◆
「脳卒中」は、突然に発症する脳血管の病気の総称。「脳梗塞」「脳出血」「くも膜下出血」が代表的で、手足のマヒ、失語症などの症状が残り、生命に関わることも多い。「秋から脳卒中が増えるのは、北からの寒気と南からの暖気がせめぎ合い、寒暖差が激しくなるからです。寒暖差が10度を超えると、自律神経系を駆使して体の恒常性を保とうと血管を伸縮させる等した結果、血圧変動が大きくなる。すると、脳血管が切れたり詰まったりする危険性が跳ね上がる。 通勤時間が長い人は、自宅と勤務地との気温差に注意すること。寒い日は服の着脱や温かい飲み物などで温度差を埋めるほか、脱衣場に暖房器具を準備する、入浴前に浴室はシャワーで温める、などの配慮が必要だ。
◆左右の感覚違いは危険◆
脳梗塞には、さまざまな前兆が知られているが、入浴時の足の感じ方の違いもそのひとつ。
「左足と右足で温度差を感じたとしたら、一過性脳虚血発作(TIA)といわれる、短期間で症状が消える脳梗塞が起きている可能性があります」
【目の異常も脳梗塞のサインになることがある】
「動脈硬化が原因で起きるTIAの半数近くが頚動脈のプラークが脳の動脈に飛んで一時的な脳虚血を起こす。その多くが脳の中に入った直後に目の動脈を塞ぐ。突然目の前が真っ暗になったり、視野が狭くなったり、物が二重に見えたら、TIAを疑うべきです」
◆心房細動に注意する◆
心臓の震えで全身に血液がうまく送り出せなくなる心房細動は不整脈の原因で脳梗塞リスクのひとつ。その患者は年間平均5%が発症し、脳梗塞などの脳梗塞の危険因子を2点とし、合計スコアが0で年間1%、1で1・5%、2で2・5%、3以上で5%超の脳卒中発症リスクがあるといわれる。「こうした危険因子を持つ人は抗血栓剤ワーファリンを飲むといい。29の大規模臨床試験をメタ解析した結果、偽薬に対して64%の脳卒中予防効果が報告されています」
◆糖尿病の人は血圧管理◆
糖尿病は脳梗塞と脳出血のリスクをそれぞれ2・27倍、1・56倍にする。血糖コントロールは細小血管症(網膜症、腎症、末梢神経障害)リスクを抑制するが、厳し過ぎると逆に、死亡率が高くなるという。「糖尿病の人は血圧を厳格にコントロールした人(平均144/82㎜Hg)は緩い人(平均154/87㎜Hg)に比べて脳卒中リスクが低かったとの報告がある。高血圧は脳梗塞、脳出血共通のリスク要因で、糖尿病の人は130/80㎜Hg未満が推奨されています」
◆虫歯、歯周病を治す◆
虫歯の原因菌である「ミュータンス菌」は口の中の血管から侵入して、脳の血管に到達。そこでコラーゲンに結合して炎症を起こし、血小板による止血作用を妨げ、血管をもろくして、脳出血を引き起こす。「細菌が脳卒中の原因とは昔からいわれていたこと。ピロリ菌除菌、風邪やインフルエンザの予防と同じで歯磨きも脳卒中の予防になります」
◆起床時は跳び起きない◆
脳卒中は、明け方から午前中にかけて発症することが多い。朝目覚めたらすぐに起きずに布団のなかで手足を動かしてウオーミングアップすること。顔は冷たい水ではなくぬるま湯で洗う。起きたらコップ1杯でいい、水分を取ることも大切だ。
◆大気汚染に注意◆
大陸から飛来する黄砂の濃度が高い日は脳卒中などの循環器疾患で救急搬送される数が増える。国立環境研究所が2003~07年の3~5月に救急搬送された成人9000人を調べた結果だ。
「米国心臓協会もPM2.5など空気中の汚れが脳梗塞の発症リスクになると警告しています」 日々の大気の汚れは環境省の大気汚染物質広域監視システム「そらまめ君」で知ることができる。
記事・画像 引用・参考元 日刊ゲンダイ <articles>
画像元 yjimage
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