【小5男児重体】認識を改める必要あり! 近づいただけで失明の危険、噛まれたら全身出血も! 毒蛇「ヤマカガシ」の凶悪性を徹底解説!
ヤマカガシといえば、少し前まで毒ヘビというイメージはなかった。その前は、図鑑にも「無毒」と書いてありました。無毒から微毒、そして近年の症例などから猛毒にまで格上げされた。また、口内の毒牙だけでなく、首の付け根にも毒腺を持ち、毒を放出することも可能というなかなかに変わった生態を持つ蛇です。
ヤマカガシは、臆病ですぐ逃げる、その地味な暮らし振りのでせいか、長らく毒蛇とは思われていなかったため、未だに無毒であるという認識の人も多く、そのせいか手を出してしまう事もあるようです。
ヤマカガシはナミヘビ科の全国に分布するヘビで、水辺や田圃などに多く見られます。色彩変異の多いヘビで、地方によって模様が全然変わってくるため、かつてはそれぞれが別種のヘビなどと考えられていたこともあったそうです。
ヤマガカシがもともと無毒とされていたのには、実際に噛まれても毒作用を受けた例が少なかったことに起因します。というのも、多くの毒蛇の毒牙は犬猫、人間の犬歯の位置に近い感じで対に有るもので、普段は折りたたまれて口内にあります。いわゆるみんながよく知る毒牙というイメージです。
一方ヤマカガシは、上顎の奥にたった2ミリほどの小さな毒歯があるだけで、威嚇して噛んだ程度や、歯当てといった「噛むぞ!」という威嚇程度では毒が注入されることはありません。…
故に、無毒で無害なヘビ……ということになってしまったのでしょう。しかし、奥歯に潜む毒は、マムシやハブといった国内でも屈指の毒蛇をも上回る致命的な毒であり、その毒がいったん入ってしまうと自然治癒はかなり難しい……というか命に関わってくる猛毒と言えるので気をつけなければいけない訳です。
とはいえ、何度も書いてるように、臆病で大人しいヘビなので、無理矢理つかんでいじくり回りしたりしない限りは噛まれることはないので、無闇に恐れる必要は無く、山野で見つけても無視しておけばなんの害も有りません。むしろ触るだけで首から毒を吹き付けられて(場合によっては飛び散ることもある)ので、近づかない方が賢明でしょう。
■毒の性質■
先ほど説明したようにヤマカガシの毒は2種類。奥歯にあるヤマカガシオリジナルの毒と、頸腺という10対前後の腺があり、そこでヒキガエルを食べて奪い取った毒を自分用に変化させて蓄えるという、とんでもない機能を持っています。実際に、イヌがヤマカガシに噛みついたあと死んだ例もあり、かなり強力な毒です。口に入ればもちろん危険で、触れたり目に入るだけで失明の危険性もある恐ろしい毒です。
実際にほんの少し目に入った例では、数分で目を開けることが困難になり、3、4時間は霧視状態になり、眼科での手当がなければより悪化していたかも……というもので、少量でもかなり強力な毒です。数種類のステロイドと糖が合体したステロイド配糖体という分子の基本骨格を持つ六員環のブファジエノライドという毒を数種類持っているようです。
これらはブフォトキシンと総称されて、ヒキガエルの毒として知られているもので、ヤマカガシはヒキガエルの毒が効かないヘビなのです。
そして肝心の奥歯のオリジナルの毒も非常に変わった毒です。詳しい成分は未だ不明なのですが、非常に強い血液凝固作用があり、血液の凝固に必要な血小板などが、毒によって消費されてしまい、女性の場合は生理といったものから、体内の普通に起こっている皮下や消化管での微少な出血が止まらず、毒が多いと全身から出血が始めるという恐るべき状態になってしまい、抗毒素で治療しないと死に至ることもあります。
抗毒素はあくまで毒を打ち消すだけで、当たり前ですが毒によって壊された組織は治してくれないので、抗毒素を注射したから安心! というものではなく、どんな毒でも、できるだけ早く処置が必要であるということです。
というわけで、ヤマカガシは大人しい無害なヘビですが、調子に乗っていじると手痛い目にあうこともある毒蛇であるという認識で、出会っても刺激しないようにしましょう。
あと忘れがちですが、日本の法律で毒蛇の飼育や捕獲は禁止されているので、興味に駆られて飼育してるとお縄を頂戴することになります。そういうところも注意しましょう。
記事・画像 引用・参考元 Excite News <(文=くられ)>
画像元「Thinkstock」
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