「個人情報なのでお答えできない」は、余りにもいき過ぎではないか！頭が痺れちゃったよ！

「個人情報なのでお答えできない」は、余りにもいき過ぎではないか！頭が痺れちゃったよ！

個人情報保護法の制定以降、何かを聞いても様々な場所で「個人情報ですから……」と情報開示を拒否されることが多い。だが、こうした風潮はどんな業界でも当たり前のように受け入れられるべき事なのだろうか──。医師・石原結實氏（69歳）の熱い主張を聞こう。

＊　＊　＊

今の時代は、入院している友達や知り合いを御見舞に行きたいと思って病院に問い合わせても、「個人情報なのでお答えできません」とにべもない対応をされてしまいます。

私も知り合いが入院したときに病院に問い合わせたんですが、入院しているかどうかすら教えてくれないから、ちょっと頭にきました。一昔前まで何号室に入院しているかまで教えてくれたのに。

小生の経験を記します。私の隣に、天涯孤独な7つ上の友人が居ました。その彼は、昨年12月に入院し、月内で、1回退院して、戻って来たのですが、新年に入り、3日頃から夜になっても全然灯かりが点きません。それから2日過ぎても点かないので、「これはちょっと変だな！孤独死でもしているのかな！？」と頭を過ぎった。それでもと思い、携帯に電話を入れたが、繋がらなかったので「いよいよ大家に連絡しなくちゃいけないかな？」と、思っていたところ、本人から電話が入った。やれやれと思い乍ら、電話に出ると、呂律が回らないらしく、何を言っているのかよく聞き取れない。こっちからいろいろ問い質したところ、「～出られるかも」云々という１箇所のみ聞き取れた。「入院でもして居るのか？」と聞き返したが、返事はすれど意味が聞き取れなかったが、とにかく生存（！？）している事が分かって、やれやれと思いながら、「大事にしてくれ」と伝えて電話を切った。これで夜電灯が点かなくても、おかしくはないなと胸を撫で下ろした。

翌々日、朝、入院しているとすれば、12月に入院した病院だろうと思い、その病院に行ってみた。受付に行って、事情を話し、「12月も入院したが、その時、こちらだったので、来てみたが、入院しているかどうか教えてくれ」と告げたら、「少々お待ちください」というので、椅子に戻って、待って居たが、受付嬢同士で、何やらバタバタしていたので、何か悪い予感がした。暫くして、受付嬢が態々私のところまで来て、「個人情報でお答えできないのですが…」というので、事情を述べ、尚もお願いしたら、「ちょっとお待ちください。上司を呼んで来ますので…」と言って戻っていった。これは増々「何かあったな（亡くなっている可能性が大だな）」と胸騒ぎがした。

暫くして男性が私のところにやって来て、「個人情報があって、お話しすることは、難しい…」というので、隣に住んでいること、本人は天涯孤独である事等を話したところ、「本来ならお答えする事が出来ない・・・」と断りつつ、「入院していたが、昨日亡くなりました」と教えてくれた。「何時もと変りなく過ごしていたが、食事をしている時、看護師が同室の患者のところにいて、手が空いて、本人のところに戻ったら、息をしていなかった」という事だった。そんなに苦しんで亡くなった訳ではなかったことが分かりホッとした。其れ丈の話だったのだが、15分も掛った。

また、何年振りかで、隣の県の知り合い方を訪ねた際も、「ここら辺だったなあ」と思いながら、分譲住宅の中を探したが、一向に埒が明かず困っていたところ、郵便局の赤いバイクがやってきたので、「地獄に仏」とばかり、走り寄って聞いてみたが、「すみません！個人情報の件もあるので、教えられません」と剣もホロロに断られてしまったのには、頭が痺れてしまったねえ。「そこまでやるか」と正直思った。（その時は携帯の電池が切れてしまっていた）

　☝　この兄ちゃんが教えてくれなかった郵便局員です！

これに限らず、昨今は「個人情報」の幅が利き過ぎて不便なことが多くなった。

石原結實医師の話に戻ります。確かに私自身、医師なので、特定の患者さんについての問い合わせに「お答えできません」と対応せざるを得ない。これは内心では本当に心苦しく思っている。勿論個人情報を利用して振り込め詐欺なんかを行なう悪い人達がいるから規制せざるを得ない訳でしょうが、それにしても個人情報保護の風潮は行き過ぎていないか。せめて入院しているかどうかくらいは教えて上げてもいいのではないか。誰もそんな情報を悪用はしないだろう。