地方の百貨店次々と廃業!伊勢丹松戸が43年の歴史に幕! 地方の百貨店に再生の糸口はあるのか!? 外商がカギ!
伊勢丹松戸店が21日、閉店した。松戸市に残る最後の百貨店の閉店には、冷たい雨の中、別れを惜しむ多くの買い物客が殺到。ピーク時の1996年度の売り上げ336億円が、昨年度は181億円まで減少していた。近年、地方・郊外の百貨店は閉店が相次いでいるが、どうにかならないのか。
昨年は、西武八尾店、同筑波店、三越多摩センター店、同千葉店など8店舗の地方・郊外の百貨店が閉店。今年に入っても、伊勢丹松戸店のほか、十字屋山形店、西武船橋店、ヤマトヤシキ姫路店が閉店し、6月末には名古屋の丸栄も閉める予定だ。
「地方は車社会なので、駅前の百貨店より、駅から離れていても、何でもある大型ショッピングモールに客が流れてしまう。また、都心の百貨店なら高級感を求める訪日外国人でにぎわいますが、地方ではそうもいかない。学生が集まらない地方の大学が都心に回帰するように、百貨店も地方を閉じて、都心を充実させる傾向にあります」(デパート業界関係者)
人口減少が顕著な地方で踏ん張るより、限られた経営資源を都心に集中するのは当然の経営判断だ。そうはいっても、百貨店には歴史がある。伊勢丹松戸は43年11カ月。名古屋の丸栄に至っては、前身の呉服屋の創業は、江戸初期の1615年。400年超の歴史に幕とは実に惜しい。
地方の百貨店が生き残る方策はないのか。活路は、百貨店が長年培ったノウハウにあった。店舗外で、顧客をきめ細かくフォローする外商だ。経済ジャーナリストの井上学氏が言う。
「地方の高齢者は、土地や山を持っていたりと、お金持ちも多く、百貨店にマッチした客層です。高齢なため、来店も儘ならないし、ITも苦手なのでネット通販もできない。つまり地方には、出向いてお世話をする外商が活躍する余地が大いにあるのです。問題は外商の質が大いに低下していること。顧客の求める品物を『在庫がない』と回答するような外商ではダメ。昔の外商は、死に物狂いで“ないモノ”を探してきましたよ。質の高い外商が復活すれば、地方の百貨店は再び輝けます」
どんなに厳しい経済環境でも“糸口”はあるものだ。
記事・画像 引用・参考元 日刊ゲンダイ
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