ゴルフ場の跡地で1万2000世帯分の電力、コンテナ型の変電システムを生かす
茨城県の水戸市にある広大なゴルフ場の跡地に巨大なメガソーラーが誕生した。42万平方メートルの跡地を利用して発電能力は36MWに達する。太陽光発電の導入量が全国一の茨城県内でも最大の規模だ。発電した電力を集約・変換する設備には耐久性の高いコンテナ型を導入した。
水戸市にメガソーラーを建設したのは独立系の日本再生可能エネルギー(NRE)で、11月1日に「NRE水戸太陽光発電所」の商業運転を開始した。広さが42万平方メートルに及ぶゴルフ場に展開する巨大なメガソーラーである。
発電能力は36MW(メガワット)に達して、茨城県内で最大の太陽光発電所になった。年間の発電量は4342万kWh(キロワット時)を見込んでいる。一般家庭の使用量(年間3600kWh)に換算して1万2000世帯分に相当する。県庁所在地の水戸市で総世帯数(12万世帯)の1割をカバーする電力を供給できる。
このメガソーラーの運転開始に合わせて、NREは世界各国でエネルギー管理システムを供給するシュナイダーエレクトリック社と提携した。シュナイダーが提供するコンテナ型の変電システム「PVボックス」などを日本国内のメガソーラーに導入していく。
すでに水戸市のほかに兵庫県の山南町で稼働中のメガソーラーなど5カ所にコンテナ型の変電システムを採用した(図3)。さらに建設中のメガソーラーを含めて合計17カ所にコンテナ型の変電システムを導入する予定だ。NREは全国9県にわたって510MWにのぼる太陽光発電所の展開計画を進めている。
「NRE山南太陽光発電所」に設置したコンテナ型の変電システム。出典:日本再生可能エネルギー
【発電設備の稼働率98%以上を目指す】
コンテナ型の変電システムは長さが6~9メートルある筺体の内部に、パワーコンディショナーや変圧装置、補助電源や冷却装置を備えている。入出力できる電力は1~2MWで、複数台を分散して設置することで大規模なメガソーラーにも対応できる。工場で配線や試験を済ませるため、現地で必要な工事のコストと期間を削減できるメリットがある。すべての装置がコンテナの中に入っていて、荒天や塩害に対する耐久性も高い。
NREはコンテナ型の変電システムに加えて、シュナイダー社の遠隔監視システムやデータ分析システムも導入して発電量の最大化を図る方針だ(図4)。一連のシステムを使って発電設備の稼働率を98%以上に維持する。
コンテナ型の変電システムを配置したメガソーラーの構成例。出典:シュナイダーエレクトリック
NREは2013年に東京都内に設立した再生可能エネルギー専門の発電事業会社で、日本のほかにアジア地域でも太陽光発電事業を展開している。国内外の投資ファンドと組んで資金を調達する手法を使って発電事業を拡大中だ。国内では大分県の国東市で2014年11月に運転を開始した「NRE国東太陽光発電所」が第1号の開発案件になった。
「NRE国東太陽光発電所」の全景。出典:日本再生可能エネルギー
引用・参考元 itmedia [石田雅也,スマートジャパン]
画像引用 日本再生可能エネルギー
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