2018年NHK大河「西郷どん」に決定! 本物の「西郷どん」をひ孫が語る
来年のNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」が話題だが、鹿児島県民の間では早くも再来年の「西郷どん」に注目が集まっている。 モデルは、2018年に150年目の節目を迎える明治維新を成し遂げた西郷隆盛。歴史ファンの人気は根強く、せごどん、西郷さん、南洲翁などの愛称で親しまれる。
しかし、世に知られる話の多くが、間違って広まっているのだという。西郷家に伝わる資料や秘蔵写真を置いている「K10カフェ」(鹿児島市)のオーナーで、西郷のひ孫にあたる西郷隆夫氏(52)に、せごどんの本当のところを聞いてみた。
「鹿児島県には西郷系の子孫は2人しかいません。私は、西郷さんと、最後の奥さんのイトさん(糸子)の間にできた長男の孫。西郷さんは、ひいおじいさんにあたります。父は、おばあさんであるイトさんと小学5年生まで一緒に暮らしていて、西郷さんのことをよく聞いていた。私は、本当の姿を継承していきたいと思っています」
■日本のペットブームの火付け役■
「犬が銅像になった最初が上野です。その後、忠犬ハチ公、南極に取り残されたタロとジロと続く。西郷さんは愛犬家として知られ、犬を15匹飼っていました。13匹まで名前が判明しています。犬種は薩摩犬やオランダ犬も。犬を連れていたのは、自らの鏡にしていたからと伝え聞いています。犬は親を裏切らない。人を裏切らないし、お金も名誉も欲しがらない。頭をなでてやるだけで尻尾を振ってご主人をじっと見続ける。その姿勢が好きで、自分自身が私利私欲にのみ込まれそうになったときに、犬を見て自らを戒めたそうです。ちなみに、金品などの贈り物は一切受け取りませんでしたが、犬に関する絵や書物だけは受け取っていて、遺品整理時にたくさん出てきたそうです」
■「さん」付けで呼ばれる理由は気遣い■
「地元に伝わるエピソードです。ある時、肥桶を持っていた農家のおじさんが、犬と散歩中の西郷さんを見つけて『あいさつせないかん』と肥桶を下に置こうとしたはずみで、ぶちまけてしまいました。案の定、西郷さんは怒ったのですが、『もったいないことして、大切な肥料を』と。着物を洗わせてくださいと言っても『よか柄になった。洗わんでよかが。俺がこの時間に通らなかったら大事な肥料がなくならなかった』と深く一礼したのです」
それから地元では西郷さんと、“さん付け”で呼ばれるようになった。
■近所で変わった子どもだった■
「西郷さんは変人で、周りの子供たちが虫捕りで網を持って走っていた時に、木の臼を持って走り回っていた。当然、捕れないと泣いて帰ってきた。母の政子さんは、この子はちょっとおかしいなと真剣に悩んだ。お母さんの教育あっての西郷さんといえます」
天才は紙一重だ。
■どれがホンモノの顔■
「西郷さんは写真を一枚も残していません。せごどんのドラマが決定して、写真がいっぱい出回っていますが、全部偽物です。本物に近いのは、イタリア人画家のキヨッソーネさんが描いた肖像画で、鹿児島にある銅像のモデルとされます。ほかに、イトさんや親族がお願いして描いてもらった山形の庄内藩・石川静正さんの作品。静正さんは本人に会っていて、親族が手を入れている。肥後直熊さんの作品も本物に近いです。上野の銅像は、親族から見ると違いますね」
ひ孫の隆夫さんの顔が最も似ているに違いない。
■なぜ写真嫌いになった■
「武士だからでしょう。西郷さんは、自分の名を残すことは恥ずかしいと考えていた。『己を愛するは善からぬことの第一なり』と言っていた。今の地位は周りの人あってのこと。自分を愛しすぎると気づいた時に誰もいなくなる。自分という存在を残すことに未練は全くなかったのでしょう」
単なる写真嫌い、暗殺を恐れていたわけではないようだ。
引用元 nikkan-gendai
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