東芝を襲う解体とリストラ危機!ハゲタカの増資で上場維持!
禁断の果実に手を伸ばした結末やいかに!東芝のその後!――。巨額増資を決めた東芝は、債務超過を解消したことで上場維持にメドを付けた。これで昨年から燻り続けてきた上場廃止への懸念はひとまず払拭されたが、不安が拭えないどころか、ますます先行き不透明感が強まっている。
東芝は約6000億円の第三者割当増資を19日に発表した。新株の主な引受先は「物言う株主」として警戒されている海外ファンド。旧村上ファンド出身者が設立したエフィッシモ・キャピタル・マネージメントのほか、西武HDに不採算路線や西武ライオンズの売却を要求したサーベラス、セブン&アイHDの鈴木敏文前会長の引退のきっかけをつくったサード・ポイントなど60社が名乗りを上げた。
海外ファンドがこぞって東芝の増資に応じるのは“オイシイ話”だからにほかならない。新株の発行額は17日の株価より10%安い約263円。転売するだけで儲けが出る可能性があるが、“ハゲタカ”はより高い利益を狙って東芝に揺さぶりをかけてきそうだ。
経済ジャーナリストの井上学氏が言う。
「ファンドの目的はただひとつ。安く買い叩いた株を高く売り抜けることです。なので東芝の『成長』や『再生』は後回しにして、手っ取り早く株価を上げる方法を選ぶでしょう。真っ先に考えられるのはリストラです。東芝はすでに主要4部門を子会社に分社化し、本体の従業員2万人を転籍させました。ファンドは東芝の経営陣にさらなる細分化とスリム化を求めてきそうです」
今後、東芝は利益の大半を稼いできた“虎の子”の半導体メモリー事業を2兆円で売却する予定。メモリー売却後はIT関連などを軸とした再生計画を描いているようだが、“復活”の道は険しい。
「東芝は『IoT』や『エネルギー』を今後の収益源に据えようとしています。しかしIoT関連はベンチャーの急増で競争が激しく、今さら大きく稼げるとも思えない。原発関連事業も成長株とはいえません。いずれにせよ、これまでのような高い収益は見込めなくなります。ファンドはメモリー売却で2兆円のキャッシュが入ってくるタイミングも“売り時”と見計らっているはずです」
東芝は“スリム化”の名のもと、ハゲタカに切り刻まれ、食い散らかされることになりそうだ。
記事・画像 引用・参考元 日刊ゲンダイ <view/news>(井上学氏)
画像元 yjimage
コメント