<草津白根山>予測難しい水蒸気噴火!次に備え分析急務!
☝【写真特集】草津白根山から立ち上る噴煙と噴石
草津白根山の本(もと)白根山(群馬県、2171メートル)で起きたのはどんな噴火だったのか。火口の位置や噴石の到達範囲、火砕流の有無などを知ることは、今後の噴火や被害を予測するうえで欠かせない。気象庁は24日、現地調査を予定していたが、吹雪など天候に阻まれ、成果は上がっていない。【飯田和樹】
3種類ある噴火のうち、今回は水蒸気噴火とみられる。マグマの熱で温められた地下水が水蒸気となって膨張し、火口の岩盤を破って噴き出す現象だ。マグマそのものが噴き出す「マグマ噴火」や、マグマが地下水と接触して水蒸気が急膨張する「マグマ水蒸気噴火」は、マグマの動きが地震や山体膨張という前兆に表れやすい。マグマの動きがそれほどない水蒸気噴火は予知が特に難しい分、一層慎重な警戒が必要だ。
東京大地震研究所の中田節也教授は、水蒸気噴火について「前兆が弱かったり、前兆が観測されてから間を置かず噴火したりして、予測は難しい。噴火後も観測データが異常を示しても、目視せず噴火の有無を判断するのは難しい」と指摘する。
気象庁が派遣した火山機動観測班は、天候が良ければ24日に火口に近付く予定だったが、吹雪のため実現しなかった。ヘリコプターを飛ばして上空からの観察も計画していたが、噴火場所の上空まで行けなかった。噴火当日に地上から近付いた野上健治・東京工業大教授から、火口が複数あるとの報告を受けているが、位置をつかめない。
24日には、手薄だった本白根山の監視態勢強化のため、山頂まで約5キロの草津町役場4階に監視カメラを設置したが、降雪で方向を正確に定められないまま運用を開始した。
一方、24日午前10時50分ごろには、この日2度目の火山性微動を観測。マグマや熱水の移動が原因とみられる小さな揺れだ。気象庁は、山中に取り残された人がいないか調べる群馬県警などの捜索隊に、活動を中止するよう連絡した。「噴火の前に起こりやすい現象。噴火しなくても観測されるが、大事を取った」。東京都内にある気象庁火山監視・警報センターでモニターしていた白土正明センター長は話した。山頂付近が離れた場所から見えれば、様子を見ながらもう少し活動できたかもしれないが、降雪で見えなかった。
記事・画像 引用・参考元 Yahoo News <毎日新聞>
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