低迷の野党はどう立て直して来夏の参院選を戦うべきか！？「小異を残して大同に付く」しか道はない！？

低迷の野党はどう立て直し夏の参院選を戦うべきか！？「小異を残して大同に付く」しか道はない！？

通常国会が終わって、自民党は安倍３選の是非を懸けた総裁選に向かうが、対する野党は来春の統一地方選、夏の参院選に向けて反転攻勢の態勢を取れるのだろうか。

とりわけ問題は国民民主党の存在で、ともかくも野党第２党で、参院では立憲民主党の２３議席をわずか１議席ながら上回る第１党でありながら、直近の共同通信調査では立民の支持率１２．４％に対し０・９％、コンマ以下を切り捨てた日経の数字では同じく１２％に対し１％と、全く存在感がない。野党の消息通に聞くと……。

「国民民主自身もこのままでは先行きがないと見てかなり焦っていて、先日は玉木雄一郎代表が参院選に向けて『一緒に戦う旗印を明確にしたい』と呼びかけたが、立憲民主の枝野幸男代表に『現時点で政策のすり合わせは考えられない』とにべもなく断られてしまった。そりゃそうでしょう、国民民主が自分の旗印がハッキリしないのに、他党と一緒になって統一政策、スローガンを作ろうと言っても相手にされないのは当たり前だ。

それでは、参院選に向けての野党の選挙協力、統一候補擁立は実現しないのか？

「そんなことはない。小沢一郎がこのところ枝野や共産党の志位和夫委員長らに会って言っているのは、まず立憲民主と自由、社民が一緒になる。それでも衆院で４、参院では６（沖縄の２人まで入って８）しか増えないが、これが実現すれば岡田克也、江田憲司ら無所属の会の衆院１３人も動くだろう。その“拡大立憲民主”と共産とが協議し、３２の１人区の可能なところで統一候補を立てるというのが小沢構想だ」と彼は見ている。

つまり、国民民主は相手にしない？

おそらく、党としての国民民主とは組まずに、選挙区の実情によっては棲み分けをするだろう。国民民主の参院議員で、選挙区で通ってきて来年改選を迎えるのは、愛知の大塚耕平代表や長野の羽田雄一郎元国土交通相ら５人ほどで、そこでは立憲民主も共産もあえて競合を避けるかもしれない」

それにしても枝野も小沢も国民民主にずいぶん冷たいではないか。

「彼らから見れば、旧民進党の分解過程でいちばん右往左往して、原発推進賛成を条件に連合労組の組織支援を貰おうとした人たちが中心の党ですから。そうでないのに成りゆきで行ってしまった人は、いずれ立憲民主に合流してくるでしょう」

さて、小沢工作の行方を見極めたい。

（私見）

チャーチルは，ナチスの台頭に対して，共産党とも手を組んだ。そうすることによって、ナチスの台頭を阻止しようとしたのだ。一方現在の日本の政治状況をみれば、70年前に、日本の政治手法、政治思想が否定されたにも関わらず、未だに歴史を改竄してまでも、それを復興させようとする勢力が、政権を握り、報道管制、「政治主導」とやらに依る官僚の支配，司法への過干渉など、政権が何度倒れてもおかしくないような不祥事を重ね乍ら、尚も、権力を保持している。日本の民主主義は後退し、今や北朝鮮も驚くほどの独裁政治に陥っている。ここで「安倍１狂体制」を更に許せば、取り返しのつかない社会が固定化する。

こういう危機的な状況で、やれ国民民主が1票増えた等と言っても、1狂体制が固定すれば一巻の終わりなのだ。1党で頑張っても、自民有利に作用すれば全く意味がない状況である。そうであるならば、野党が共闘して、自民と闘わなければ意味がない。政権交代が実現しなくても、自・公の議席を減らすことができれば、政治状況は大きく変わる。

そうなれば与党にも焦りが出て、「共闘は野合」だという類の中傷が必ず出てくるが、それは議席が減るのを畏れての為にする「デマ」なので、無視すればいい丈の話である。自・公だって、「野合」なのである。政治なんて、そんなレベルであるから、自民が偉そうに言える話ではない。自分でやっておいて、同じ理由で、野党を攻撃すること自体矛盾しているのである。

政治は力関係でなんぼの世界である。自民のインチキ攻撃で、萎縮する野党もだらしがない。「安倍政権を続けさせない」という1点で、政策を一致させ、戦線を組み戦う。「安倍錯倒政権を阻止する」ことがいま必要である。よく「小異を捨てて大同につく」というが、実はそうではない。「小異を残して大同につく」が正しい。政治的レベルを1枚更新してから、残した小異について議論・検討すればいい。政治とはそういうものだ。

記事・画像　引用・参考元　日刊ゲンダイ（高野孟）