シックハウス症候群という言葉がいわれて久しいが、もう一つ住環境において懸念されているのが、「電磁波」の問題だ。「送電線の付近では、白血病の発症率が高い」とも言われている。送電線・変電所などの電力関係の施設、携帯電話基地局、携帯電話端末などの電磁波発生レベルに国際的規制が設けられている。
しかしもっと身近なところ、すなわち我々の家の中も注意しなければならない。家の中に「電磁波の発生源」があることは余り知られていない。電磁波とは、「電場」と、「磁場」という異なった周波数が交互に発生している電気の流れを言う。また磁場は電気製品をコンセントに差し込み、スイッチを入れると発生する。屋内配線は、常に電圧が掛かっているので、ブレーカーを落とさない限り電場は常に発生続けている。
日本の住宅の電圧は100V、欧米では200Vとなっています。同じ消費電力の製品を使う場合、日本では2倍のアンペア(電流)が必要になるということです。磁場はアンペアに比例するので、日本の家庭の方が強く影響を受けるという事になります。電場は電圧に比例するから、日本の方が影響は小さいが、欧米ではその対策として、「3口コンセント」を使い、1つは「アース」に使っているので、電場の発生は日本より小さくなっているのです。(欧米の方が全家庭的に対策を立ててあるということ)
送電線・家庭製品などから発生する電磁波(低周波電磁界)の健康への影響は、「因果関係についてはそれほど強いものではない」というWHOの見解が出ているが、日本の場合は、コンセントからは、欧米の7倍の電磁波が発生していることを指摘し、欧米と同じ状況にはないとして、アレルギー疾患、がん、脳腫瘍などの発症に関わりがあると注意を促す学者・医師もいる。
では少しでも影響を減らす為にはどうしたらよいか? それは欧米のように、電気コンセントの全てに対して、アースを付けること。さらに天井裏の配線が重なり、強い電場が発生しているような場所については、電磁波遮断シートを使い、配線を包み込んでしまうことが必要。
また細かいことを言うと、便座や、電気毛布は、予め温めておいて、使用する際は、スイッチを切って利用する。また電気シェィバーなど電気を使わなくても対応できるようなものは敢えて電気仕様のものは使わないようにする。PCなどの使用の際は、電磁波遮断エプロンなどを付けるなどなど。
健康については、「食」について、気を配る人は多くなってきたが、「住」まで気を遣う人はそれほど居ない。(実は「衣」についても問題は存在するのだが) 異常に拘りすぎる事はないが、気になるようならアース対応のコンセントに変えるとか、シートを使えば、確実に電場・電磁波は軽減できます。
便利さが先行し、負の部分が置き去りにするような世の中になっているが、こういった問題については、中々表に出てこないことも多いので、自分から問題意識や、関心を持ち、調べていかないと把握できないようなことが多い。「自分の健康は自分で守る」という事は「住」の分野でもいえるのである。
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