[業界情報]ファミレス業界=消える?深夜営業 生活変化、コンビニ台頭で
「24時間営業」のイメージが定着しているファミリーレストランで、深夜営業をやめる動きが広がっている。かつては若者らでにぎわった「深夜の憩いの場」に、何が起きているのか。
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ロイヤルホストを展開するロイヤルホールディングス(HD)は昨年11月、24時間営業の全廃を決めた。大半の店で実施していた時期もあったが、2011年ごろから徐々に営業時間を変更。全223店中、2店だけ残っていた24時間営業店舗も今年1月末にやめた。
その背景には、若者層を中心とする消費者意識の変化がありそうだ。東京都世田谷区のロイヤルホスト桜新町店は、数年前に24時間営業をやめ、現在は午前0時までの営業に変えた。近くに住む男性会社員(36)は「学生時代は朝までファミレスで友達としゃべっていたけど、最近は行かない」。同僚の男性(25)も「深夜に入ったことがない。おなかがすいたらコンビニエンスストアに行く」とそっけなく話す。
ガストやバーミヤンを運営する、すかいらーくも、24時間営業や深夜2時以降に営業している990店中、約7割の営業時間短縮を決めた。
深夜営業廃止の最大の理由は「少子高齢化や若者の車離れといったライフスタイルの変化で、深夜客が減った」(すかいらーく広報担当者)ことだ。早起きの人が多い高齢層の増加で早朝の客は伸びているが、若者がメインの深夜の客は減少しているという。
また「コンビニ内にイートインコーナーが増え、客を奪われた」(大手ファミレス幹部)ことも響いた。購入した商品を店内で飲食できるイートインコーナーは数年前から増え、今では大手コンビニ3社合計で1万店以上にある。最多の約4000店にコーナーを設置するファミリーマートでは「郊外店は深夜に休息や憩いの場として利用されている」(広報)。ファミレスの代替としてコンビニの存在感が増している。
■外食業界の人手不足も追い打ちをかける■
労働人口が減少する中、アルバイトなどの人材確保競争が全国的に過熱。人材サービス業のリクルートジョブズの調査では、昨年12月の3大都市圏(首都圏・関西・東海)でのアルバイト・パート募集時の平均時給は1006円で、06年1月の調査開始以来、過去最高を記録した。時給高騰が顕著な首都圏では1047円に達するが、それでも「アルバイトの確保に苦労している店もある」(別のファミレス大手)。
14年には牛丼チェーン「すき家」で、深夜時間帯の営業を1人に任せる「ワンオペ」など過酷な労働状況が発覚し、社会問題化した。すき家は給与アップなど労働条件の改善を図り、現在は国内約2000店中、9割以上の店で24時間営業をしている。
一方、深夜営業から撤退するファミレスは「24時間営業廃止は、日中のサービス向上と、従業員の労働環境改善につながる。今後も再開する考えはない」(ロイヤルHDの黒須康宏社長)とする。
■マックも縮小■
営業時間の短縮はファミレス以外にも広がる。日本マクドナルドHDは13年、「深夜営業のニーズが減った」と判断。24時間営業店を12年末の1857店から昨年9月末には809店まで減らした。
日本総合研究所の山田久調査部長は「社会情勢の変化で、24時間営業というビジネスモデルは限界を迎えた。客が少ない時間に店を開けていてもコストが嵩むだけなので、営業時間短縮は賢明な判断だ」と話している。外食業界のこの傾向は増えるだろう!
■CVSのイートインコーナーの影響=購買力の低下! 安価気軽さ傾向拡大(私見)■
外食産業の深夜需要が低下しているという事は、結局消費者の購買力の低下という事が底にあるのではないか。外食産業に入れば、どうしても500円以上の金が掛かる。それに比べれば、CVS(コンビニエンスストア)は、ちょいと摘みたいものを購入し、イートインコーナーで食べれば、100円くらいの出費で済ませることもできる。要は消費力の低下が、外食産業を避け、廉価で、気軽に寄れるCVSイートインコーナーに取って代わられているのではないかと思う。
記事・画像 引用・参考元 Yahoo News <毎日新聞【浜中慎哉】>
撮影 根岸基弘
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