火元の中華料理屋は「お詫びのチラシ」を配布したが! 被害額は数十億円か…糸魚川大火災の賠償責任はどうなる!?
延焼時間は30時間にも及んだ。22日午前10時半に発生した新潟・糸魚川の大火災は、死者こそ出なかったものの約4万平方メートルが焼け、約150棟の家屋が焼失した。「大火」の原因となったのは、JR糸魚川駅から徒歩5分ほどの小さな中華料理店だ。
店は個人経営で、「中華そば」が名物。ネット上には「素朴な味」「おいしい」と評価する声が上がる一方、「店員が無愛想」「しょっぱ過ぎる」との書き込みがあった。店の近くに住む30代男性はこう言った。
「30年ほど前から営業しているが、周辺は高齢化が進んで最近は客足が途絶えたためか、『店を畳む』という話が何度も出ていたね。でも、店主の息子が何とか店を存続させたかったらしい。昼時は常連客で満席になることもあったが、とにかく店内が汚くて、床が油でギトギトだった」とあまり評判は良くない。
今回の火災では、1650年創業で県内最古の「加賀の井酒造」の酒蔵が焼け、約200年の歴史を誇る老舗割烹「鶴来家」も全焼した。
「被害額は、数十億円に上るのではないか」(建築業界関係者)との声も上がっているが、とても「町の中華屋」に払える金額じゃないだろう。損害賠償の行方が気になるが、木造住宅が多い日本では、火元になった当事者を“守る”法律がある。失火者の過失で別の建物が火事になっても、建物の所有者は失火者の賠償責任を問えない、と規定している「失火法」だ。
ただし、失火者に「重過失」があった場合は別だ。過去には「天ぷらを揚げたまま放置した」「コンロの火をつけたまま寝てしまった」といったケースが重過失とみなされた判例がある。県警は23日、店で現場検証を実施。男性店主は「鍋を火にかけたまま店を出て、戻ったら炎が上がっていた」と話したというが、責任は問われないのか。元検事の落合洋司弁護士はこう言う。
「重過失は故意に近い過失とされ、認められるケースは稀です。鍋に火をかけたままその場を離れてしまうことは、『過失』ではありますが、故意に近い『重過失』とは言えないかもしれません。仮に重過失が認められ、賠償請求しても、中華料理店側に支払い能力があるとは思えません。賠償金の支払いは滞るでしょう」
いずれにせよ「泣き寝入り」という最悪の展開になる可能性が大である……。
引用元 nikkan-gendai
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