1ヶ月分を超える薬を出す「長期処方」は問題がないのか?

薬の必要量は季節変動(!?)する。血圧を例にとると、一般的に冬に高めになり、夏は下がる傾向にあります。そのため冬を多めに、夏は少なめに調整する。その間にも、いろいろな要因(例えば、食事の内容及び量、体重の変化、精神状況☜緊張状態が続くなど)により、血圧は変化します。細かく血圧をチェックして、その結果に応じて、薬の種類や量を決めていきます。したがって1回の薬の処方は1ヶ月分単位で出すのが決まりとなっているのです。

 

ところがいま1ヶ月を超えて薬を出す「長期処方」が増えているという。糖尿病、高血圧の薬、睡眠薬など、99日分を平気で処方する医師がいる。前述の理由により、適切でないばかりか危険ですらある。

 

ところが患者は、「何時もの薬を、何時もと同じ量出されている」と思っているかも知れないが、医師の方は、「季節性や、体重や、食事の傾向などの変化をチェックせずに、単純に測定値のみで、変化がないと判断して「何時もの薬を出しておきましょう!」という事にしている。こういう調子だと、(例えば薬の量は同じでも)季節によって、効き過ぎたり、効き目が希薄だったり変動してしまう場合があり得るという事になる。したがって、1ヶ月分単位での処方の方が、細かく対応できるという事なのだ。

 

特に高齢者は、年齢が行くほどに、腎機能が低下してくるので、その度合に応じて、薬の代謝、排泄能力が低下して、生体内に薬が長く滞り、薬が効き過ぎてしまうケースが多い。そうであるのに、薬の量を減らすべき夏場に普段通りの薬の量を服用していれば、効き過ぎて副作用がより鮮明に出ても不思議ではない。(降圧剤を例にして述べています)特に、何種類も薬を出されて、それを忠実に飲んでいる人は、(1種類の薬でさえ服用の変動があるのでなお更)副作用の度合いが強まってしまう。薬1種類で表れる副作用は5%程度だが、6種類以上服用している患者では15%に跳ね上がるという。

 

以上は東大病院老年病科の「長期処方」についての抜粋でした。忙しさに紛れ、つい「3ヶ月分出しておいてよ!」などと、患者側から要求する場合もあると思うが慎むべきである。

診療もそうだが、薬も医者任せずにしないで、標記のような症状になったら、その旨伝え、

季節性や、体重や、食事の傾向などの変化、状況を話し相談することも必要である。(その前に薬を過信しないことも大切・・)

 

「ここでも自分の体は自分で守る」ということを忘れてはいけません。

(以上薬を常用している人の副作用を少しでも減らす留意点でした!)

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