脳動脈瘤!歳を取れば誰しも危険性が!血管の形・血流の速さが瘤の破裂に関係する!
国立循環器病研究センターによると、毎年13000が「脳動脈瘤(くも膜下出血)」で死亡しているという。人口の2~6%罹患率だ。脳動脈瘤が発見された場合の「瘤」の破裂する確率は、「年間0.46%。即ち1000人中4.6人だ」☜日本脳神経外科学会の発表数字。脳基底部を走る1~6ミリの血管に発症するが、この病気の怖いところは、瘤が破裂するまで、目立った自覚症状がない場合が多いことだ。手遅れも何もあったもんじゃないという事だ。
瘤が破裂した際は、頭を鉄の棒で殴られたような激痛に見舞われ、吐き気、嘔吐の症状が出て、初めて脳動脈瘤だと知ることになる。自覚症状がなかったのだから、当然気を付けていた訳ではなし、予防の対応なども出来ていた訳ではないから手術をしても助かる率は50%ほどと非常に厳しい状況にある。一命をとりとめても言語障害など重篤な後遺症になる確率が高い。
東京大学では、流体力学的アプローチをし、脳動脈瘤が何時どういう状況になったら破裂するか、血流の流れをコンピューター処理して解明している。研究に当っているのは、同大学院情報学環/生産技術研究所の大島まり教授である。以下教授のお話し。「脳動脈瘤の瘤はどのようにして発生し、何故破裂するのか?」は完全に解明されてはいません。難しい問題です。そこで私たちが取り組んでいるのは、コンピューターを駆使して、血流による血管壁への刺激などを、シミュレーションして、動脈瘤のでき方や、成長過程、破裂のメカニズムを予測することを目指しているのです」と述べている。
脳動脈瘤の発症要因は、遺伝のほか、高血圧、加齢が挙げられている。食べ物も間接的ではあるが影響を与えていることが分かっている。しかし一番の大きな要因は「血流」にあるといわれている。再び大島まり教授のはなし。「もし血流以外の要因で脳動脈瘤が発症しているとするのなら、脳動脈瘤は脳の至るところの血管に出来る筈です。しかし実際は発症する場所の8割が「3ヶ所」に集中しているのです。いずれも動脈の分岐点で、血液の流れが速く、血管の内壁にある「内皮細胞」を擦る力(壁面せん断応力)が強く掛かる場所です。
では血流の速さと、壁面せん断応力の強さを決定づける要因は何か? 「それは血管の形や、血流の速さです。これによって、血管内に渦を作ったり、滞留したりして、血管壁に対する壁面せん断応力が変化します。そのことを証明していると思われるのは、男女によって瘤の出来る場所に偏りがみられることです。一般に女性の方が頭の大きさが男性に比べ小さいので、場所によっては、血管の曲がりが急になっているからではないかと考えられています」
因みに粥状動脈瘤が出来易いところは、血流が淀んで血管壁面せん断応力が低いところであることが解明されています。「血流の研究がもっと進んだら、脳動脈瘤は無論のこと、動脈硬化症のリスクが減らせると思います」と教授は抱負を述べている。
小生も老境に達し、至る所に「ガタが来ている」と自覚しているが、生活習慣を正し、おかしいと思ったら、直ぐ休み【寝る】、無理をせず、精々「暴走老人」を続けられるようにしよう!「もう若くはないんだぞ!健康第一」
※日刊ゲンダイ 「病気に潜む脳の異常」シリーズ 大島真理教授 参照。
画像 https://square.umin.ac.jp/neuroinf/medical/105.html による。
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