自民総裁選!安倍首相が狙う1強体制保持のための集票戦略!石破氏の動向がその後の1強体制を崩壊させる機運に結び付くか!?

「世直し」速報

自民総裁選!安倍首相が狙う1強体制保持のための集票戦略!石破氏の動向がその後の1強体制を崩壊させる機運に結び付くか!?

 

 

立秋とともに猛暑が一服した永田町では、告示まで1カ月となった自民党総裁選に向けて、各派閥・グループによる水面下での多数派工作が進んでいる。誰もまだ正式には出馬表明していないのに、すでに現総裁の安倍晋三首相の「圧勝」が確実視される中、政治の世界で注目されるのは「首相の勝ち方」だ。首相サイドは、対抗馬の石破茂元幹事長に「トリプルスコア以上の圧倒的大差」をつけるべく、派閥単位での「票の囲い込み」に余念がないが、「やり過ぎに対する党内の反発が怖い」との声も出始めている。

首相が「圧勝」を目指すのは、現在の1強体制を維持することで、総裁選後の党・内閣人事や秋の臨時国会の運営でも主導権を確保し、悲願の憲法改正の早期実現に党全体で取り組む態勢を固めるためだ。ただ、これまでの「強圧的」(自民長老)ともみえる多数派工作には党内良識派の反発が強い。そのため、地方票を中心に反安倍票が拡大して、票差が「ダブルスコア以下」という石破氏の善戦に繋がれば、首相の求心力は低下し、来夏の参院選に向けた政権運営に陰りが出かねない。

6年振りとなる総裁選は9月7日告示・20日投開票となる見通しだ。首相や石破氏はこれとタイミングをあわせて正式に出馬表明し、本格的な戦いの火蓋が切られる。

■安倍首相、議員票は「トリプルスコア」以上だが■

今回の総裁選は、現時点では自民党所属議員(衆参議長は除く)405人が各1票、「地方票」と呼ばれる地方議員を含めた党員・党友票には議員票と同じ405票(候補者の得票数に応じてドント方式で算出)が配分され、合計810票の争奪となる。これを首相と石破氏の一騎打ちで争う公算が強い。

しかも、議員票だけをみれば、すでに細田派94人、麻生派59人、岸田派48人、二階派44人、の主要4派が首相支持を決めて選挙対策本部を発足させており、無派閥73人の半数近くとされる菅(義偉官房長)グループなども加えれば300人超が首相に投票する見込みで、石破氏は「議員票は最大でも100票以内にとどまる」(自民幹部)とみられている。

一方、全体の半分を占める地方票は「蓋を開けてみなければ分からない」とされるが、大半を占める議員系列や各種職域団体の党員・党友票は「組織票」とみられており、圧倒的な議員票を反映して、首相支持が石破氏支持を圧倒するとの見方が広がっている。

現状では圧勝確実とされる首相が、総裁選での最大の争点に「憲法改正」を掲げたのは、首相主導の「改憲案」に異議を唱える石破氏を総裁選で圧倒することで、党内を「安倍改憲」に一本化する狙いからだ。その上で、秋の臨時国会で衆参両院憲法審査会の改憲論議を一気に進め、来年の通常国会会期末までの「国会発議」を目指す戦略とみられる。

■根強い1強批判が「圧勝戦略」の死角■

ただ、こうした「圧勝戦略」の死角となりそうなのが「強権的手法に対する反安倍票の拡大」(自民幹部)だ。大手紙の最新の世論調査でも「首相による1強政治」については自民党支持層でも「よくない」が5割を超えている。石破陣営では「これがそのまま党員・党友の投票行動に反映すれば、地方票では首相と互角の勝負ができる」(派幹部)との期待が広がる。

確かに、6年前の総裁選において、決選投票で敗れた石破氏だが、第1回投票の地方票では「165票対87票」で首相を圧倒した経緯もある。今回総裁選で、石破氏が「自由にものが言える自民党にするべきだ」等と“1強批判”を繰り返すのも、地方票で「潜在的安倍批判票」の掘り起こしを狙っているからだ。ただ、現状の議員票での大差を覆すほどの地方票での地滑り的石破支持は「殆ど可能性がない」(自民幹部)とみる向きが多い。「総裁選は結局、首相の3選のための消化試合になる」(同)との見方が定着している。

そこで永田町スズメの間で浮上してきたのが「もう一つの勝敗ライン」だ。総裁選での首相の「勝ち方」が3選後の政局展開を左右するとの読みからで、「首相と石破氏の票差がダブルスコア以内なら首相の1強は崩れる」との見立てだ。

これを具体的票数に当てはめると、石破氏が合計200票以下なら首相は600票以上となり「トリプルスコア」で首相は安泰だ。逆に石破氏が合計270票以上となれば首相は540票以下にとどまり、「ダブルスコア」も割り込む。議員票によって変動はするが、地方票で石破氏が過半数(200票超)となればダブルスコア以上の敗北を免れる可能性は大きい。首相にとっても「党内民意の指標となる地方票で石破氏と拮抗する結果になれば、圧勝だと胸を張れない」ことになる。また、得意の歯向かう者に対する報復もやり辛くなる。

ここにきて、党内第3勢力の竹下派55人が石破氏支持の方向となりつつあるのは、「3選後も安倍1強による独裁が続けば、国民の反発が強まり、参院選敗北に繋がる可能性が大きい」(参院幹部)との判断が背景にあるからだ。政界引退前は「参院のドン」と呼ばれた青木幹雄元官房長官が同派参院組を石破支持で纏めたのも、来年の参院選への危機意識からとされる。

一方、同派の衆院組では茂木敏充経済財政担当相や加藤勝信厚生労働相ら幹部が首相支持を明言している。このため、4月に派閥を受け継いだばかりの竹下亘総務会長の判断が注目されているが、同派内では「落としどころは実質的自主投票」との見方も出ている。

 

■首相サイドは党員名簿を活用した「ローラー作戦」■

同派は前身の旧竹下派時代から「一致結束箱弁当」と呼ばれた結束力が身上だった。それだけに「草刈り場になれば、竹下会長の求心力も低下する」(細田派幹部)との声はある。だが、「参院での主導権」を最大の強みとする同派は「首相が参院を支配する竹下派を敵に回せば、政権基盤が揺らぐ」(竹下派幹部)とする。そもそも青木氏は、竹下会長の兄の故・竹下登元首相の側近で、「今回の竹下派の動きは、竹下氏と青木氏が派閥の存在をアピールする高等戦術」との見方も少なくない。

そうした状況を踏まえ、首相サイドはこれまで、地方票の積み上げに全力を挙げてきた。首相が国会閉幕前後から、「公務もそっちのけ」で地方県連や職域団体の幹部らとの懇談などを重ねたのも、「地方票での石破氏の追い上げを阻止する戦略」だからだ。

首相支持を断言して総裁選の指揮をとる二階俊博幹事長ら党幹部は、有権者となる党員・党友の名簿などをフル活用した「徹底したローラー作戦」(二階氏周辺)で地方票獲得を進める。併せて、首相サイドからは、陣営内の議員に対して「総裁選後に都道府県別の得票分布を検証し、各議員別の成績表の結果を、その後の人事に反映させる」(側近)との恫喝めいた声が伝えられている。

総裁選での首相圧勝が既成事実化する中、各種世論調査での平均4割強の内閣支持率に大きな変化はなく、多くの調査では「不支持」が「支持」を上回る状況も続いている。特に、不支持の理由で「首相が信頼できない」が断然トップとなっているのは、野党の混乱や党内ライバルの弱体化が「首相への消極的支持の拡大」につながっているからだ。石破氏が首相の独裁的な政治手法を批判するのも、こうした「首相不信」を集票に結びつける狙いからとみられる。

■地方票で拮抗なら「安倍改憲」も不透明に■

首相サイドが恐れるのは「議員票は首相が圧勝したが、地方票は石破氏と拮抗した」という結果だ。そうなれば首相が嫌がる「ポスト安倍の本命は石破」という流れとなり、人事でも石破氏を処遇せざるを得なくなる。加えて、石破氏が異を唱える「安倍改憲」の前途も不透明となりかねない。さらに、現在の1強体制が揺らげば、参院選の結果次第では選挙後に進退問題が浮上する可能性も出てくる。

首相は11日から14日までの日程で、地元の山口県に入る。11日には党山口県連主催の会合に出席するほか、講演会などを催すが、事実上の出馬宣言となる。この地元入りは首相にとって「プチ夏休み」だが、永田町を離れて石破氏ら反安倍陣営の出方を見極める期間」となりそうだ。その結果、首相がこれまでの「横綱相撲を振り捨てての石破氏制圧作戦」を軌道修正するかどうかに、永田町の注目が集まっている。

 

(私見)

首相の強引な政治運営に、自民党内でも、「よくない」と思っている議員が53%もいる。首相のやったことは、民主主義を根底からひっくり返すことばかりだ。総裁選はいわば身内の選挙だが、総裁選で、ここのところを全く触れずに選挙をした場合、国民の間で、安倍首相ばかりか、自民党総ぐるみで、民主主義を蔑ろにしているという判断をされる。すべて野党からの質問に、はぐらかし、逸らし、隠蔽で真面に答えず、詭弁、改竄、居直りの連続であった。その結果、諸問題が幕引きされた様な結果になっているが、何一つ解決されていない。従って、国民の間には、根強い反発が其の儘になって燻っている。

もし石破氏が立候補に当たり、ここら辺に的を絞り、明確な対抗軸を打ち出せば、地方議員に対する大きなインパクトとなり、それは国会議員へと波及する要因となる。何よりも真相究明を望む国民の支持が湧きおこれば、自民党としても無視できなくなる。たとえ石破氏が当選にならなくても、巷間言われる「安倍圧勝」なるものが崩れ、その差が狭まれば狭まる程、その後の安倍圧政が加減される状況になる。こういうプロセスを自民党としても咬ませなければ、後々党の存在に関わる大きな問題を残すことになると思う。

 

記事・画像 引用・参考元 Yahoo News(東洋経済・泉 宏 :政治ジャーナリスト)

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180808-00232681-toyo-bus_all

画像元 yjimage

「自民党総裁選参院竹下派石破氏支持」の検索結果 - Yahoo!検索(画像)
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