全加工食品「原産国表示」義務化は消費者に“朗報”なのか

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全加工食品「原産国表示」義務化は消費者に“朗報”なのか

 

消費者庁と農水省が5日、国内で製造された全加工食品の主な原材料の原産国表示を義務づける素案を提示した。今後、検討会で詳細を詰め、早ければ来年にも“新ルール”ができるという。yjimage-1

これまでは緑茶やこんにゃく、うなぎのかば焼きなど22食品群、4品目だけしか義務づけられていなかったが、それがすべての加工食品に広がるというのがミソだ。素案では、複数国産の原材料を混ぜ合わせている場合、重量順に上位3カ国程度まで表示することになるという。

 

分かりやすいのは大豆加工食品だろう。新ルールが実現すれば、豆腐、油揚げ、味噌、納豆、醤油といったニッポンの食卓に並ぶ“常連”の原産国がはっきりする。

 

『国産大豆○%使用』などとやたら国産を強調する紛らわしい表示も、「北海道」・「アメリカ」・「中国」などと国名が記載されるようになる。そもそも大豆の自給率は6%程度です。豆腐も味噌も日本の伝統食品とは名ばかりで、原材料は殆んど輸入に頼っている。

 

商品には、「国産」と書かれているものが多いが、それらを全部寄せていくと「6%」を軽くオーバーしてしまう。「遺伝子組み換えでない」というのも非常に間際らわしい実態となっている。改めて“輸入まみれ”の実態を知る主婦らがパニックになり、買い控えが起きるかもしれません。農水省側にはTPPを睨んで、そうやって消費者を国産に向かわせる狙いもある模様。

 

【早くも“逃げ道”用意】

 

サラリーマンのお昼の定番、うどんやそばにも使われる小麦だって、自給率はたった15%だ。いずれにせよ、食品を選ぶ判断材料が増えるのは朗報だろうが、それもあくまで「原則として」。原則と敢えて添えるのは、例外措置を暗に求めているのであり、食品メーカー側も「費用や手間が掛かる」などと早くも反発している。

出来事-春夏野菜の種2

 

 

【消費者問題研究所代表の垣田達哉氏の見解】

 

「気がかりなのは、素案で“逃げ道”を用意している事です。仕入れ国が複数だったり、頻繁に変更されるケースなどは義務を緩和し、『輸入』や『輸入または国産』といった表示も可能としている。消費者はアメリカ産か中国産かを知りたいのに、ただ『輸入』と丈の表示では、「(日本以外の)何処なの?」って話でしょう。新ルールは、またもや、骨抜きになる虞がある。それに新ルールに掛かるコストを価格に転嫁出来ないメーカーは、食品自体の質を落とす可能性も考えられる!その場で製造・販売される弁当や、外食なども対象外だという。「それじゃダメじゃん!」の世界ではないか!? 「消費者は守られているのか!?」とこの種の話で出てくる同じ問題が残された儘だ。単純に朗報とばかりとは言えない様だ。

 

  • 引用・参考元http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/191233/2

 

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