市場動向 <おひとりさま>商戦過熱 1人前調味料、売れ行き好調

経済・社会

市場動向 <おひとりさま>商戦過熱 1人前調味料、売れ行き好調

 

増加する若者や高齢者の単身世帯を狙った「おひとりさま」商戦が熱を帯びている。食品メーカーは家族向けが多かった鍋の調味料などで1人向け用商品を相次いで発売。外食でも同様の動きが広がりつつある。少子高齢化で国内市場の拡大が見込めない中、生活様式の多様化に細かく対応することで、販売増に繋げたいとの思惑がある。

 

小生も長野での生活は、単身赴任で、原則外食はせずに、自分で食事を作るようにしている。<何せサラリーマン在職38年間のうち19年は単身生活で、食事は自分で作った実績(!?)がある> 出来合いの総菜なども買う時があるが、その際困るのは、1パック商品は、家族対象仕様になっている場合が殆どで、単身者には量が多すぎる点である。量が多いことを承知で買ってくる。そんな不便を託っていたのだが、近頃は小分けのパックも目に付くようになった。少々高いプライスが付いているのだが、これはこれで納得がいくプライスだ。商品を無駄にする事がなくなるので、それなりの存在価値があると思う。

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食品メーカーで目立つのが1人用の鍋の調味料だ。これまで家族向けの大容量商品が多かったが、エバラ食品工業は1人前分の濃縮液体調味料「プチッと鍋」の販売に注力。今年1月には栃木県の工場に専用の製造ラインを新設した。シリーズ全体の2016年度の売上高目標に、前年度比3割増の35億円を掲げる。味の素も1人前分の固形型調味料「鍋キューブ」が好調だ。8月から1人前ずつ包装した鍋つゆ「こなべっち」シリーズを発売したミツカンは「単身世帯を中心に人気が高く、売れ行きは計画を上回っている」(広報)という。

 

鍋の調味料以外では、永谷園が8月、3人前からだった主力商品「麻婆春雨」シリーズに、電子レンジで温めれば食べられる1人前用商品を投入した。キユーピーでは、ゆで卵1個とポテトサラダなどを一緒にパウチ容器に入れた1~2人前のチルドサラダ「つぶしておいしいサラダ」シリーズや、1人前用の「和えるパスタソース」シリーズの販売が順調だという。

「おひとりさま」を狙った動きは、食品メーカー以外にも広がる。インターネット通販大手のアマゾンジャパンは正月に向け、1~2人向けの「個食おせち」のラインアップを拡大した。昨年は14種類だったが好調なため、今年は24種類に増やした。外食でも宅配ピザチェーン「ピザハット」が今月19日に宅配サービスだけでなく、イートイン対応店舗を千葉県にオープンした。「1人での来店も想定し、1人用の席を準備したほか、小型で低価格なピザなど1人向け商品も揃えた」(担当者)

 

厚生労働省によると、15年の単身世帯は1351万世帯で04年(1081万世帯)から2割以上も増加した。若者の晩婚化や、核家族化で高齢者のみの単身世帯が増えている為だ。今後も単身世帯の増加傾向が続くとみられ、「おひとりさま」を意識した各社の知恵比べが続きそうだ。

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【キーワード】加工食品市場

民間調査会社の矢野経済研究所によると、国内の加工食品の市場規模(メーカー出荷金額ベース)は2015年度が29兆7297億円で、11年度(29兆8090億円)比で0.3%減にとどまった。しかし、これに対応する商品別の平均成長率(11~15年度)は、単身世帯の増加などを背景とする調理の簡素化ニーズの高まりで「冷凍食品」は2.6%増、「インスタント食品・レトルト食品他」も1.7%増、「健康食品」も消費者の健康意識の高まりから1.4%増と好調に推移している。一方で「酒類」は少子化や若者のビール離れなどを背景に0.6%減となったほか、「水産加工品」も肉食を好む消費者の増加などで0.9%減と苦戦している。

 

引用・参考元 ヤフーニュース [毎日新聞 浜中慎哉]

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161129-00000020-mai-bus_all

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