今年も早くも<感染性胃腸炎>流行中 5割はノロ、今季は「G2.2」型
下痢や嘔吐(おうと)を引き起こす感染性胃腸炎が、今季も流行している。国立感染症研究所によると、3〜5割はノロウイルスが原因とみられ、今季は乳幼児が免疫を持つ可能性の低い、数年前にはやった型のノロウイルスの検出が多数報告されており、注意が必要だ。
感染性胃腸炎は例年、冬に流行する。感染研が定点観測している全国約3000の小児科からの患者報告数は、今月4日までの1週間で5万4876人で、過去10年間の同時期と比べて多い。1医療機関あたりでは17.37人。都道府県別では宮城(45.75人)、山形(33.47人)、三重(27.71人)、埼玉(26.73人)、東京(26.64人)などが多い。
ノロウイルスは遺伝子型が約30種類あるが、中でも今季は「G2.2」という種類が小児を中心に検出されている。感染研によると2009〜12年にかけて、各地でこのウイルスの感染者が出ていたが、その後はあまり出ていなかった。
宮城県では幼稚園、保育所などで集団感染が80件以上発生、多くがノロウイルスの「G2.2」だという。感染研感染症疫学センターの木村博一第6室長は「G2.2の流行のなかった最近生まれた子どもは免疫がないと思われ、感染が広がりやすい恐れがある」と指摘する。
ノロウイルスは感染力が強いのが特徴だ。感染者の便や嘔吐物に大量に含まれ、主に人の手や食品を介して広がる。木村室長によると、感染者の便には最大で1グラム当たり1兆個のノロウイルスが含まれ、感染は数十個が体内に入るだけで成立するという。…
木村室長は「感染すると、症状がなくなってからも排せつ物にはウイルスは含まれ、長い場合は1カ月に及ぶこともある。知らないうちに感染源になる恐れもあり、特にトイレの後は手洗いを徹底してほしい」と呼びかける。【野田武】
◇ノロウイルス感染防止に関する注意点
・手洗いは、指と爪の間や、指と指の間も含めて十分行う。水で流すのは30秒以上時間をかける。
・嘔吐物の片付けはマスク、手袋、エプロンを着用し、飛び散らないよう丁寧にペーパータオルなどで除去する。床などは薄めた塩素系漂白剤を使って浸すように拭き取る。
・包丁やまな板などの調理器具や布巾は、85度以上の熱湯で1分以上加熱する。
・加熱用カキなどの食品の調理は、85〜90度で1分半以上火を通す。
引用・参考元 Excite News <毎日新聞社 >
画像引用 「Shutterstock」より。
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