4年という長期政権だが、食い散らかしの「道半ば・・」の言い訳の連続!日本は果たして良くなったのか!?
安倍晋三首相の28日(現地時間27日)のハワイ・真珠湾訪問。出発前、首相はこんな決意を口にしていた。「戦争の惨禍は二度と繰り返してはならない。この未来への思い、誓い、そして和解の価値をオバマ氏と共に世界に発信したい」
だが、オバマ米大統領にとっては、自らの広島訪問と「ワンセット」であり、退任前のレガシーづくりが色濃い。首相といえば、「現職首相の歴史的な初訪問」という“偉業”に見せかけることに躍起で、歴代首相が訪れていた事実が次々発覚すると、官邸は「米大統領と共に慰霊するのは初めて」と苦し紛れのトーンダウンだ。そんな“私利私欲”先行の2人が揃ってアリゾナ記念館で献花をしてみせても、無意味なパフォーマンスでしかなく、世界を1ミリたりとも動かすことはできないだろう。場当たり外交。ペテン政治。いつものパターンだ。
☝どんなに上手な言い訳よりも、1つの「真面な実績」には敵わない!
■元外務省国際情報局長の孫崎享氏の見解■
「安倍首相は今回の真珠湾訪問について、『未来志向』『不戦の誓い』『日米の和解』と言っていますが、いずれもそうはなりません。まず、来月任期を終えるオバマ大統領とでは『未来』に何の影響も与えられない。次に、中東でIS撲滅の軍事作戦を行っている米国が、『不戦』の平和路線を取ることはあり得ません。 そして『和解』ですが、これは相手側あってのこと。真珠湾攻撃を日本から不意打ちを食らわされた“屈辱”と捉えてきた米国民は、安倍首相が来たからといって誰も『和解』とは受け止めませんよ。そもそも、過去に吉田茂や鳩山一郎など元首相らの真珠湾訪問があまり新聞等で取り上げられてこなかったのは、米軍基地が置かれている日本の首相が真珠湾へ行くことは、米国への隷属の象徴になるからです。つまり、首相の訪問を、米国民は増々の『隷属』と受け止めていると思います」
■国際協調より自国エゴ■
「核兵器なき世界」を提唱し、大統領就任直後にノーベル平和賞までもらったオバマだが、結局、8年経っても前進させられず、無力だった。批准を目指した「包括的核実験禁止条約(CTBT)」は、共和党が多数の議会に反対され、核兵器の先制不使用も「核の傘」に依存する同盟国の反対で断念した。 その同盟国のひとつが日本だ。唯一の被爆国にもかかわらず、23日に国連総会で行われた「核兵器禁止条約」の交渉入り決議で反対票を投じた。そういえば日本は、国連安保理の「南スーダン制裁決議案」の採択でも棄権した。紛争が泥沼化している南スーダンで、政府軍と反政府勢力双方への武器輸出を禁じるという決議案だったが、日本は「南スーダン政府に反発され、治安が悪化したら困る」という後ろ向きの理由で逃げたのだ。(真珠湾訪問で発言した言葉と大きく相反する!)
南スーダンには陸上自衛隊をPKO派遣している。「戦闘行為はない。現地は安定している」とウソをウソで塗り固めた派遣だから、世界との協調より、自国のエゴを優先せざるを得ない。 首相が唱えてきた国際協調の「積極的平和主義」のお題目はなんなんだという体たらくである。
■タフな外交交渉や知恵を働かせる仕事はムリ■
「積極的平和主義」だけじゃない。この4年間、安倍政権がやってきたことといえば、キャッチフレーズが躍るだけの口先政治に尽きる。「地球儀俯瞰外交」「価値観外交」と言ってやって来たことは、世界中の発展途上国を回って、お気楽にカネをバラまくことだった。(国内の福祉は切り捨てなのに) 訪問したのは66の国と地域。ASEANに5年で2兆円支援、インドに5年で3・5兆円の官民投融資、アフリカに3年で3兆円の官民投資などという気前の良さだ。
だがその一方で、タフな交渉が要求されるホントの外交では見るべきものは無い。「安倍政権の最重要課題であり、最優先で取り組む」としてきた北朝鮮の拉致問題は、2014年のストックホルム合意を受け、いったん再開した交渉が暗礁に乗り上げると尻すぼみ。これを挽回しようと乗り出した北方領土問題も、ロシアのプーチン大統領に手玉に取られただけで、領土は戻らず、3000億円の経済支援を食い逃げされる始末。どれもこれも“ヤルヤル詐欺”ばかりなのである。
内政でも言っていることとやっている事が相違する政治の嵐だ。鳴り物入りの「アベノミクス」で株高にはなったものの、庶民の賃金は上がらず、デフレ脱却も程遠い。第3の矢だった「規制改革」は全く進まず、「成長戦略の柱」と息巻いたTPPはトランプ政権誕生で宙に浮いてしまった。「地方創生」も風前の灯。今は「1億総活躍」「働き方改革」を前面に打ち出しているが、大企業からたんまり献金をもらっている自民党の総裁が、どこまで経営者の嫌がる改革にメスを入れられるのか。実効性は乏しい。
つまるところ、安倍の4年間は、政権維持のためにレガシーや目玉づくりにシャカリキになり、とっ散らかした揚げ句、すべてが中途半端。国益を損ない、国民を愚弄しているのに、口を開けば「改革は道半ば」と言い逃れする。この神経には呆れる。
■歴史に名を残すためこだわる「初めて」■
「結局、安倍首相は「チン」すればいいだけのファストフードは作れても、「生モノの料理」はできないんですよ。4年間で実現させたのは、特定秘密保護法や安保法の成立という自己満足が目的の最悪の法律だけですが、いずれも国会で多数を持っていれば、誰でもできることです。しかし、生きた外交や経済にはてんで弱い。臨機応変に立ち回ったり、知恵を働かせて動いたりということは能力の限界を超えているのでしょう」
安倍の頭には、国民の生活や幸せなど片隅にもない。あるのは自分が歴史に名を残すこと。だから殊更、「初めて」というフレーズに拘ってきた。(やることをやっての歴史に名を遺すという事なのになあ!)
「米国の上下両院合同会議で日本の首相として初めて演説」「現職首相として初めて米原子力空母に乗艦」「日本の首相として初めてトルクメニスタンを訪問」――。官邸も外務省もメディアにこうやって報じさせる事が目的化し、外交や政策の中身は二の次になっている。
まさに本末転倒だ!
そして首相は、自分を英雄に見せかけるため、執拗に旧民主党政権と比較する。民主党がどうしようもなかったのは事実だが、今更そんな昔話を持ち出しても意味がないし、4年も続く“安定政権”なのだから、もっと堂々としていればいいのに、蓮舫代表に感情的にムキになったりして、ちょっとマトモじゃない。まるで子供だ。「『初めて』とか民主党との比較でカッコつけたがるのは、全てコンプレックスの裏返しでしょう。幼少時から勉強ができず、父親に辞書で頭を叩かれたりしてきましたからね。自己陶酔型で幼稚な性格なのです」(野上忠興氏=前出)
ハッキリ言う。そんな人物が最高権力者である日本国民は不幸だ。しかし、それを選んでいるのも国民なのだ。首相のやっている事を冷静に見る目が必要だ!
引用元 nikkan-gendai
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