今回の舛添都知事の一連の事件でどうしても解せないことがある。都知事の言い分は、例え使い方が不適切だと指摘された案件でさえ、合法であって、違法性がないということで、最初から「無罪ありき」で、非常に傲慢な態度であった。万が一にも、逮捕はないという態度がミエミエだった。(だからと言って、自分は悪くはないという態度は、都民の感情を逆撫でして、知事の思惑とは違って反発を買ってしまったのは皮肉だった!嘘でもいいから神妙にしているべきだった)
もう1つ知事の思惑が狂ったのは、「違法性がないのだから、それで逃げ切れると思った点にある。予想に反して、反発が凄かったので、①(違法ではないが)不適切な使い方の部分は返金する。② 毎週の別荘行き(や公用車の使い方)も、違法ではないが、これからは行かない。別荘は売却する。③ 報酬は減額するなど、煩い都民に対しガス抜きを図った。
しかし都民は違法性を問題にしたのではなかった。そんなもんは、規制の対象になる者が、お手盛りで作った法律で、笊法どころか、底が抜けて何でも通すという代物だから、端からそんなところには注目していないのだ。哀れ舛添は、策士策に溺れて墓穴を掘った。
幾ら何に使っても問題はないといっても、政務上に供しない、飯を食ったとか、ホテルに泊まったとか、日用品を購入したとかでは、税金から供される意義から言って、そんなものまで経費で落とすことに異議を申し立て怒っているのだ。違法性がないから問題ないというという態度に怒りを露わにするのは当り前のことだ。それを「違法性がないから問題ない」と言い切る知事は2重の意味で都民を裏切っている。(頭の良い人らしいがそんな事にも気が付かないのでは折角の頭の良さも泣くってもんだ!
まあ!これからどういう展開になるかは予断を許さないが、いずれにせよ、都民がしっかりと経過を見据え、都議会の動きも把握し、うやむやになるような雲行きなら、リコール請求も辞さないという意思を見せないと逃げ切られてしまう! この件だって、都議が追及の態度をアピールしないと、参議院選挙に影響するとか、4年先迄引っ張ったらオリンピック開催中に選挙をやらなくてはならないなど、こういう不都合をしでかした問題の本質から逸れた思惑で動こうとしている。こういうトリッキーな屁理屈に騙されないで、おかしいことはおかしいとアピール出来ないと、こういう税金泥棒、(税金)横領を将来に亘って許すことになる。
冒頭に解せない事があると書いたが、この一連の事件の経過の中で、そもそも使い方を問わないという笊どころか、底がないという法律の規定性を変えろという主張が出ないことだ。野党からさえ出てこない。こんな法律で罰則を掛けられないから、政務に関係ない経費の使い方を一向に改めようともしない。「税金横領罪」という罪状もはっきりと規定し、違法行為をした議員は(他の横領事件よりも重い)罰則を加えるべきである。現状は「ガリガリくん」を購入したって、違反に問えない大甘な法律なのである。やっても罪に問われないから、おくめもなくまた同じこと繰り返す。
一方税は上がり、社会保障の徴収の値上げ、物価は上がり、年金は削減(支給年齢の先送り)などなど、これでもかというほど困窮状態に追い込まれている。そんな中、税金の滞納でもしようものなら、「差押え」などを素早く対応させ、有無を言わさず徴収していく。そんなことで召し上げられた税金を、高給を食む議員様方に、政務に関係ない(本来自腹を切って購入すべき)物まで買われては堪らない! そんなことを平然とやり切り、「違法性がない」などとふんぞり返っている態度にみんな怒っているのである!
またそんな出鱈目をやった事に対して都知事としての資質がない、「即刻辞めよ!」と言っているのである。それを不始末をしでかしたご本人様が、「引き続き職に留まって職務を全うしたい。(ここで辞めては)死んでも死に切れない」などというに及んでは開いた口が塞がらないというもんだろう! 謙虚に都民の判断を待つというのが正しい態度である。こういう勘違いが出てくるのも、政治が如何に本来の趣旨から反したものになっているということを露呈しているのである。
「・・・ご心配をお掛けして・・」というのも近頃よく聞かれる言い方である! 悪いが税金まで食い潰している「勘違い野郎」なんかに対して心配などしている者など居ないよ! 「さっさと突っ付き落ちろ!」と思っているのが本音だよ! 近頃は、不始末をしでかしても、責任を取る者は皆無、居直って引き続き職務に専念するなど、自分のしでかした事にも悪いと気が付かない議員ばかりだ!
有権者がこういう輩には票を入れないという毅然とした対応をしない限り斯様な状態は続く! 有権者の甘さが、こういう首長や、議員を生み出すのだ!
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