無念の家族!軽井沢バス事故から1年、息子失った遺族の思い
長野県軽井沢町で15人が死亡、26人が重軽傷を負ったバス事故からまもなく1年。亡くなった15人のうち、13人が大学生でした。19歳の息子を失った父親は、事故を二度と起こさないために訴え続けています。
去年1月、高速道路のサービスエリアでゲームを楽しむ大学生の田原寛さん(19)。このおよそ1時間後、寛さんを乗せたツアーバスは長野県軽井沢町で道路下に転落。寛さんを含めた大学生ら15人が死亡し、26人が重軽傷を負いました。
「これは市役所の成人式から向かう途中に撮った写真。15日(事故当日)の4日前ですね」
寛さんの父親・田原義則さん。寛さんは、大学の友人と長野県の斑尾高原にスキーに行く途中でした。事故現場からおよそ250メートル手前の監視カメラには、猛スピードで走るバスが、センターラインを越え、蛇行する映像が残っていました。
「(ガラスの破片が)たまたま、このページに挟まっていたんです。まぁ、よくこんな物挟まる。ガラスもなかったですからね、ほとんど」(次男・寛さんを亡くした田原義則さん 去年5月)
息子は、なぜ、死ななくてはならなかったのか。田原さんは、事故の後、すぐに遺族の会を設立し、自らバス会社やツアー会社に事故の原因について説明を求めてきました。事故の原因について、国土交通省の有識者会議は去年6月、経験の乏しいドライバーが乗務していたこと、バス事業者が監査で違反を指摘されていたにもかかわらず是正していなかったなどと指摘。
85項目に上る再発防止策を取りまとめました。
「まだいける、まだまだ。走り出したら、もっとチェーンは緩くなっちゃうんだから」
雪山で行われたタイヤチェーン装着の訓練。千葉県にあるこのバス会社では、こうした冬山での訓練に加え、事故の後、ベテランの運転手が新人を教育する「訓練班」をつくりました。入社後3か月間はバス特有のハンドル操作などを学びます。再発防止策では、訓練の充実のほか、補助席のシートベルトや運転席を映すドライブレコーダーの設置などが義務づけられました。
「仕事があるからといって新人を出すわけにもいきませんし、人材を増やせるようにして、お客さまが安心してバスに乗っていただける環境を整えていきたいと思ってます」(なの花交通バス 国島通孝取締役本部長)
新たな動きは求人の段階からも。求人サイトを運営する会社には、「安全なバス会社はどこか教えてほしい」といった問い合わせがこの1年で急増しました。ただ、運転手が高齢化している状況は変わっておらず、会社側は若い人材の確保が課題だといいます。
「バスの運転手の平均年齢が50歳に迫る勢い。いかにうまく人を、自社に合った人材を採用するのか、いかに定着させるのかということを考えることが、安全面の確保に絶対につながる」(「どらなび」を運営するリッツMC 中嶋美恵社長)
「これ、1か月たってから外に落ちてて見つかった(寛さんの)財布。2月に帰る予定だったので『学割』をとっていたらしい」( 次男・寛さんを亡くした田原義則さん 今月9日)
事故で死亡した大学生の寛さんは、スキー旅行から戻ったら社会福祉士の勉強を本格的に始めることを両親と話し合う予定でした。
事故を防ぐ対策が本当に実行されるのか。田原さんは今後も見続けようと決めています。
「対策がここまで終わったから良しではなくて、声を上げていく。上げられる立場ですし、上げるべき立場。悔しいというか、残念さ、怒り。1年たっているんですけど、いろいろなことがわかってきても変わらない。一生背負っていくつもりです」(次男・寛さんを亡くした田原義則さん)
記事・画像 引用・参考元 Excite News </Tbs_news> 画像 wikipedia.
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