大洗研被ばく 除染シャワー故障、過大計測の原因か!
日本原子力研究開発機構「大洗研究開発センター」(大洗町)の被ばく事故で、原子力規制委員会は30日、原子炉等規制法に基づく3回目の立ち入り検査を行った。内部被ばくした5人の男性作業員から初めて聞き取り調査した結果、事故後、除染用シャワーが故障して使えなかったことが判明した。除染が不十分となり、作業員1人の肺で2万2千ベクレルのプルトニウムを検出したと、過大に評価した可能性があると指摘した。
原子力規制庁によると、事故が起きた燃料研究棟で、作業員がシャワーで除染しようとしたところ、水の出が悪かったため、別の建屋からホースをつないで体を洗った。水圧は弱く、片手でホースを持ち、もう片方の手で洗い流す状態だったという。規制庁担当者は「シャワーを使った場合と比べると、十分除染できなかった可能性もある」と指摘。燃料研究棟内では、除染用の洗剤やタオル、計測機器なども足りなかったことも確認された。
機構は、事故直後の測定で、50代の男性作業員の肺から2万2千ベクレルの高い値を計測した。だが、5人の治療に当たる量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所(千葉市)は、同数値は主に皮膚表面に付いた放射性物質を測っていた可能性を指摘している。
除染後、タンク内に保管した水を廃棄施設に運ぶ際には、タンクとタンクローリーをつなげる付属ポンプも故障。タンク内の水を手作業で移さなければならない状態で、少なくとも2年前から故障していたという。規制庁担当者は「保安規定以前の問題で、施設の維持、管理の問題」と話し、機構の施設管理に問題があると示した。聞き取りの結果、作業員の間では、放射性物質が入った樹脂製の袋でガスが発生する十分な知識がなく、爆発や破裂の予見が不可能だったことも確認した。
検査は30日午前10時~午後4時ごろまで、原子力規制庁の保安検査官4人が行った。作業員5人の話は約1時間聞いた。6月21、23日の検査で既に、放射性物質を扱う際に必要な複数の計画書が作成されていないなど、保安規定違反の疑いがあることが明らかになっている。
記事・画像 引用・参考元 Yahoo News <茨城新聞社>(高岡健作)
ttps://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170701-00000004-ibaraki-l08
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