回転寿司業界混沌! これからどうなる?スシロー再上場、かっぱ寿司は赤字転落
回転寿司最大手の「あきんどスシロー」が東京証券取引所に再上場する方向で動いている。同社は2009年に上場を廃止しており、ファンドの傘下で資本関係の整理を進めてきた。上場すれば1000億円の時価総額になるともいわれているが、回転寿司をめぐる市場環境は増々厳しくなっている。
◆極めて激しいライバル競争◆
回転寿司業界は、企業間競争が極めて激しいことで知られている。回転寿司のチェーン店には、スシローのほかに、くらコーポレーションが展開する「くら寿司」、牛丼チェーン「すき家」で知られるゼンショーホールディングス傘下の「はま寿司」、コロワイドグループのカッパ・クリエイトが展開する「かっぱ寿司」、そして「元気寿司」などがある。
当初、ゼンショーは既存の回転寿司への資本参加という形で業界参入を狙い、2007年にかっぱ寿司に資本参加した。しかし、提携はうまくいかずかっぱ寿司とゼンショーとの資本関係は終了。ゼンショーはほぼ同じタイミングで、今回上場するスシローの買収も目指していた。
創業家の内紛をきっかけにゼンショーは一部の株式の取得に成功していが、一方で投資ファンドもスシローの争奪戦に加わり、最終的にゼンショーは争奪戦から撤退。スシローは非上場となりファンドの傘下で経営を続けることになった。
ゼンショーは、方針を転換し、自社の回転寿司チェーンである「はま寿司」を強化、急激に店舗数を伸ばし現在に至っている。かっぱ寿司はその後、元気寿司との合併という話が持ち上がったが、結局は居酒屋などを展開するコロワイドの傘下に入る。
激しい競争の結果、市場規模はここ10年で1.5倍に伸びたといわれているが、市場環境は今後、更に厳しさを増すと見る関係者が多いようだ。今月10日に発表されたカッパ・クリエイトの2016年4~12月期の決算は6億6200万円の営業赤字となり、2017年3月期の見通しについても9億3400万円の営業赤字という見通しを立てている。
回転寿司の場合、寿司ネタの魚介類は輸入されることも多く、為替の影響を受けやすい体質がある。このところ各社の中でかっぱ寿司の業績が特に良くないのは、輸入食材の比率が高いからですが、程度の差こそあれ、これは業界全体の宿命といってよいだろう。
米国でトランプ政権が誕生したことで、今後、為替が円安に振れる可能性が高まっています。円安トレンドが長期的なものだった場合、回転寿司各社は寿司ネタの確保に苦労することになるでしょう。これは業績に対してもマイナスの影響を与えることになります。厳しい業界環境は今後も続くと思われる。
記事・画像 引用・参考元 Yahoo News <THE PAGE >(The Capital Tribune Japan)
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