森友学園疑惑の糾弾の声が高まるにつれ、自民党内では小池百合子都知事の存在感が増している。7月都議選で、自民党は大きな痛手を負う可能性が高いからだ!
「公明党、都民ファーストの会が都議選の独自調査を先月行った結果、都民ファーストの会は60議席に乗せ、自民は半減以下の25議席という数字が出た。もし、年内に総選挙になれば、小池一派は東京だけで20以上取る。石原伸晃、宏高兄弟や萩生田光一官房副長官、下村博文都連会長ら都選出自民党議員は軒並み落選するだろう。負け方によっては執行部の責任問題に発展するので、簡単には解散は打てないだろう」
官邸筋によると、安倍首相はある会食の席上で、こう語ったという。「衆院選は、今年は考えていません。内政・外交に専念します。選挙は総裁選(2018年9月)後でしょうかね」
さらに森友問題の波及で自+公+維と改憲勢力の一翼を担っていた維新の支持率急落は必至だ。こうした状況を受け、官邸・自民党サイドは急きょ、新たな枠組み構築に向け、動き出しているという。
「維新の補完勢力として小池一派を利用していく。小池さんと気脈を通じている二階俊博幹事長が連携構築を探るべく動いている。いわば、小池さんへの抱きつき戦術ですよ」(自民党筋) それほどまでに安倍政権の危機感は強いとみられる。こうした水面下の駆け引きに、小池氏陣営は政府・自民党、特に安倍首相への警戒感を強めている。
「昨年10月の衆院東京10区補選で安倍首相が小池知事と一緒に宣伝カーで演説したことに小池氏支持の無党派層が反発を強め、票が逃げた。知事は首相に対し、永田町で唯一食い込めず冷遇された男性リーダーとしてみており、首相のために何かをやる気は全くない。国政再進出を見据え、国政勉強会を今月中にも立ち上げる。政権とはつかず離れずの関係を続け五輪まで知事をやり、次次回の総選挙に打って出る構えのようです」(小池氏周辺)
しかし、政治アナリストの伊藤惇夫氏は、「永田町で求心力を保てる賞味期限は4~5年」と語る。小池知事が任期を全うして、五輪成功を勲章に国政進出を図り、総裁選に出馬する場合、21年9月になり、「ガラスの天井」の厚さを嘆き米大統領選で敗れたヒラリー元国務長官と同じ69歳になる。
■政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう言う■
「風を起こすには自らが起こさなくてはならないことを小沢一郎氏からたたき込まれた小池氏だけに、何か秘策があるのでは」 小池氏陣営関係者はこの後の戦略をこうささやく。
「東京はリベラルの岩盤が強いので、知事は共産・民進支持層の厚い支持を受けてきた。将来的な最大の隠し玉は“脱原発”です。人気のある小泉進次郎氏ら無派閥議員などを巻き込み、細田派包囲網を敷けば、ポスト安倍をうかがう石破茂氏や岸田文雄外相は吹っ飛ぶ。勝てるチャンスはある。あるいは、日本新党の原点に立ち返り、今一度、2大政党の一翼を担うと訴えれば、民意はついてくるのではないか」
■過去2回の都知事選で次点だった元日弁連会長の宇都宮健児氏もこう期待感を語る■。
「小池氏は環境相を務め、環境問題に厳しい思いを持っている。環境問題はエネルギー政策と密接不可分。豊洲問題でも私の要望もよく検討され、政策を次々と打ち出している」
■首相に近い自民党議員は複雑な胸中を語る■
「世論調査をやれば、支持は首相を上回るでしょう。まして、脱原発など言いだしたら、脅威だ。ポスト安倍1番手は小池知事であることは間違いない」
記事・画像 引用・参考元 Yahoo News <週刊朝日>※週刊朝日 17年3月24日号
(週刊朝日・村上新太郎氏)
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