東芝の迷走はこれからが本番――。信用を差し置いて上場廃止を志向する手もある!兜町からそんなヒソヒソ話が聞こえてくる!
30日開かれた東芝の臨時株主総会で、半導体事業の分社化が承認された。
経営の重しだった米原子力子会社のウェスチングハウス(WH)は29日、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)を申請し、東芝の経営から切り離されることとなった。2017年3月期に1兆円を超す巨大赤字を計上するものの、米WHに絡む追加損失の心配が消えたことで「新生東芝」の道筋が見えてくるというシナリオだ。
「悪材料は出尽くしたと言えるでしょう。株価も反発し、30日は前日比4%高の228.2円で引けました。この先、しばらくは上昇していく可能性が高いと思います。ただし油断は禁物です。東芝は上場廃止を審査する監理銘柄に指定されたままです。実は、ここへきて上場廃止が濃厚になってきたという見方も急浮上しています」(株式評論家の倉多慎之助氏)
東芝の筆頭株主は、大量保有報告書などによると、“旧村上ファンド”系のエフィッシモ・キャピタル・マネージメント(8.14%保有)だ。2位、3位とも投資ファンドで、トップ3合計で東芝株を20%以上持つ。
「このまま放置しておくと、東芝はファンドに乗っ取られる危険性があります。いつの間にか外資系企業に経営権を握られていたという事態も想定できます。それを避ける方法のひとつは上場廃止です。東芝は自ら進んで上場廃止という“突然死”を選択するかもしれません」(市場関係者)
東芝にとって上場廃止のメリットは案外多い。現在は四半期ごとに決算発表をしなければならないが、未上場だと年に1回で済む。アナリスト説明会を開く必要はなく、詳細な財務内容の開示を迫られることもなくなる。
「未上場化すれば、現状に比べ経営判断を早く下せるようになるでしょう。再建のスピードは早まります。上場維持の費用も削減できます」(株式アナリストの黒岩泰氏)
とはいえ、上場廃止となれば資金調達は難しくなり、会社の信用力は低下、従業員のモチベーション維持も難しくなる。
東芝は先延ばししていた17年3月期の第3四半期(4~12月)の決算を4月11日に発表する予定だ。再延期したら、上場廃止へまっしぐらだ。
記事・画像 引用・参考元 日刊ゲンダイ
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