「百薬の長」は精々日本酒換算1合まで! 飲酒による大腸がんリスクを知るべし!

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「百薬の長」は精々日本酒換算1合まで! 飲酒による大腸がんリスクを知るべし!

 

「酒は百薬の長」と言われもするが、飲み過ぎれば、確実に健康を損なうのもまた事実だ。今回は飲酒とがんについてお話しします。

 

米臨床腫瘍学会のがん予防委員会は先日、初めて飲酒の危険性を公式に認め、「飲酒はがんの危険性を高める可能性がある」と見解を示しました。食道がん、咽頭がん、肝臓がん、大腸がん、乳がんなどのリスクが高まるとしています。

飲酒が百薬の長となる適量はせいぜい日本酒換算で1合まで。たとえば、日本人男性は毎日、日本酒を2合飲むと、飲まない人に比べて大腸がんのリスクが2倍に上昇。4合以上で3倍です。がん全体のリスクは、毎日3合で1・6倍です。

 

日本酒1合と同じくらいのアルコール含有量は、ビールなら中瓶1本、ワインならグラス2杯、焼酎ロックなら半分ほど、ウイスキーならダブルに相当します。

会社帰りに、中瓶を1本飲んでから焼酎に切り替えてロックを2杯飲むと、日本酒5合分。「オレは適量だから」と節酒しているつもりでも、意外と“危険水域”を超えているかもしれません。男性のがん患者のうち13%は、毎日2合以上の飲酒が影響しているとされます。

 

特に飲酒の影響が表れやすいのが、飲むと顔が赤くなる人です。食道がんや咽頭がんのリスクが高まります。

 

お酒に含まれるエタノールは、肝臓でアセトアルデヒドに分解されます。これが頭痛をはじめとする二日酔いの原因で、2型アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)によって酢酸に分解されると無毒化され、スッキリするのです。

ALDH2の遺伝子には、分解力が強い正常型と弱い欠損型があり、いずれかのタイプが両親から受け継がれます。2つの遺伝子パターンによって、アルコールの分解力が決まるのです。

 

日本人の5%は、どちらも欠損型で、下戸。ほとんどお酒が飲めないので、飲酒による発がんの心配はありません。ともに正常型は50%。このタイプもアセトアルデヒドが蓄積されにくく、飲酒とがんは結びつきにくいのですが、飲み過ぎるあまりアルコール中毒者に多い傾向があります。

 

問題は、どちらか一方が欠損型の「部分欠損型」です。日本人の45%を占めます。

このタイプは、アセトアルデヒドの分解力があっても十分ではありません。飲酒量が増えるにつれて、アセトアルデヒドが体内に蓄積されます。それが血管を拡張させ、顔を赤くすると同時に発がんリスクを高めるのです。このタイプが大量に飲酒を続けると、食道がんのリスクが95倍にアップするという報告もあります。

 

飲むといつも顔が赤くなる人だけでなく、飲み慣れるうちに赤くなりにくくなった人も、部分欠損型と考えられます。後者のタイプも、発がんの危険性が高いでしょう。ALDH2の変異は、アジア人の一部にしか見られません。赤ら顔で飲んでいる人は、せめて検診を定期的に受けて早期発見を心掛けることです。

 

記事・画像 引用・参考元 日刊ゲンダイ <ヘルス ケア>

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