「JAおちいまばり「さいさい来て屋」の「農強」・「農教」施策の展開について!

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「JAおちいまばり「さいさい来て屋」の「農強」・「農教」施策の展開について!

愛媛県今治市に、日本最大の「さいさい来て屋」というJA直売所がある。「さいさい」というのは、「また、再び」という意味だそうだ! したがって意訳すれば「また来て」屋という事になる。愛媛県は野菜生産地として有名な県だが、農家が生き生きと農業を営める様にするという目標を立て、西坂文秀氏をキャップとして、当初非常に小規模な店舗で始めたが、いろいろな施策を実行し、規模を広げ、今日、日本一の規模を誇る直売所を作り出した!

農家は朝一番で、収穫し、直売所のシャッターが開く前に、納品しにやってくる。売価は農家が自分で決める。口銭は80%が農家の取り分になるという。値付けをしたら、次は陳列を農家自身がやる。陳列場所によって、売れ方が違ってくるため、農家も必死である。

その日に売れなかったものは、普通の直売所では、農家が引き取るというのが一般的なのだが、「さいさい来て屋」では、先ず ① 直売所で定価で買い取る。来て屋では、傘下に、「採菜食堂」、「SAISAI CAFE」などを系列下に持っており、そこで提供するメニューに使うために、当日売り切りにならなかったものを買い取る。CAFEでは、ユニークな季節のフルーツケーキや、フレッシュジュース、野菜パン、ジェラートなどが非常に好評で、売れ行きも順調だそうだ。② 市内の食堂・レストラン・給食センター・パーラーなどに卸す。③ 更に掃けなかったものは、「ドライフルーツ・野菜」の原料として買い取る。 日持ちするなどのメリットがある。 以上のような対応をし、売れ残りによる、農家の引き取りを皆無にする対応をしているそうです。

その結果、農家では、1日最大で8万円くらいの、収入を得ているという状況になっている。直売所は、1月1日~3日が休業日で、あとは休み無しだから、毎日日銭が入ってくれば、農家は万々歳で、農業取り組みの気概はいやが上にも盛り上がる。事実納品や陳列に来ている農家のおばちゃん達、頗る元気で笑いが絶えない! 600万もするトラクターを買い替えて、「もっと熱を入れて頑張るべえ!」という事になる。この「三方よし<消費者よし!農家⇔JAよし!市内の食堂などの業者よし!>の仕組みは、地域活性化の源泉になっている。これがこのエリアのJAの狙う「農強」政策だ!

またJAでは、「農教」政策も展開中だ! どういう事かと言うと、農家に ① こうすれば売れるぞ![POPの作り方、マーケッテイング手法など] ② こういう種類の野菜を作ったらどうか?日本でも栽培可能な外国の品種の提案など ③ 栽培法のアドバイス。 などなどをして、より一層売上げがUPする方法の指導する。
こういう状況になると、農家自体の勉強意欲が涵養され、増々気合が入って生産量や販売金額が上がる状況になる。

また後継者や、農業の新規参入者の育成という長期的な取り組みも展開している。それに加え一般市民に対しては、農地を貸与して、家庭菜園の取り組みもしている。農業への関心を持って貰い、理解者を増やし、農業参入や、支援体制に結び付けていくという事です。

 

 

いま日本の農業従事者は、7割が高齢者で、自給自足的・三ちゃん農業な的な域を出ず、利益も出せないため、離農者が絶えない。限界集落などと、何かと暗い話題しか上らない。農政も、農業をやらないことに、補助金を出すなどという、後ろ向きの政策が主だから、活気など出る訳がない。それでいて、日本の自給率は、エネルギーベースで、29%しかない。お国の一大事なのに、積極的な展開は閉ざされている。1億総活躍とか、地方創成などと、聞こえの良い言葉だけが先行しているが、「さいさい来て屋」のような取り組みが今まさに必要なのではないか? 「さいさい来て屋」に関わる人たちの、「ニコニコ顔」や、「どや!顔」や、生き生き活動している姿をみてそう思った!

 

記事参照  引用・参考元 日刊ゲンダイ

画像元 yjimage

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