20代女性、「結婚願望」急減 シングルを満喫? 増々人口減傾向顕著!

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20代女性、「結婚願望」急減 シングルを満喫? 増々人口減傾向顕著!

 

20代女性の結婚願望が薄れている。交際経験がない人が増え、結婚したい相手に巡り合えていないと感じる女性が多い。様々な分野で女性の社会進出が進み、結婚よりも仕事のキャリアを大切にしたいという女性の増加も背景にある。

 

明治安田生活福祉研究所が2016年3月に実施した「結婚・出産に関する調査」によると、「結婚したい」と答えた20代の女性は59%と13年の調査より23.2ポイント減った。30代女性が同14.6ポイント減だった結果と比べても、20代女性の意識の変化が際立つ。

 

独身である理由(複数回答)は、「結婚したいと思える相手がいない」が21.7%でトップだった。交際経験がある女性の割合は3年前の調査から6.1ポイント減って66%、恋人がいると答えた人は33.7%と同8.9ポイント落ち込んだ。自分を社交的なタイプだと考える人は17.7%と前回調査から半減した。交際機会の減少が結婚願望の後退に結びついている構図が浮かび上がる。

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■仕事やアニメ、充足の場様々

生活スタイルもインドア派の女性が増えた。同研究所の担当者は「男女ともに、疑似恋愛のコンテンツが増えたことが結婚願望が薄れる理由の一つ」とみる。例えば、スマートフォンの恋愛ゲームなどは男性向けが中心だったが、最近は女性向けも増えた。都内に住む20代の女性は「アニメのキャラクターが大好きで、彼氏がいなくても生活は楽しい。別に現実の男性と急いで結婚したいとも思わない」と話す。

 

独身でいる理由として「仕事(学業)に打ち込みたい・仕事が楽しい」も19.7%と多かった。同研究所は「高学歴の女性が増え、結婚を考えるタイミングが遅れている」と指摘。女性の平均初婚年齢は29.4歳と晩婚化が進む。周囲に20代で結婚する人が減りイメージがわきにくいとの声もある。

 

環境関係の企業に勤める都内の24歳の女性の場合、恋人はいるが結婚を考えてはいない。恋愛には真剣だ。ただ「結婚した場合の、制度や経済面でのメリットが分からない。彼の方が結婚を意識しているので少し申し訳ない」。将来的には海外で働きたいと考えており、「結婚のタイミングなどは色々と制限されるかも」との思いもよぎる。

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■「男女の役割」意識、なおズレ

とはいえ、必ずしも女性が積極的に結婚より仕事とキャリアを選んでいるわけではない。埼玉県に住む27歳の女性は「脚本家を目指しており、優先順位は仕事が一番」というが、結婚自体に否定的ではない。環境が整えば結婚したい。それでも「共働きでも家事は女性という考えの男性は多い。出産を担うのは女性で、仕事を中断しないといけない。日本の制度や意識が男性目線にたっている限り、結婚に踏み切れない」と訴える。

 

■気になる! 幼少期や青年期の行動や環境は結婚観にどのような影響を与えるのだろうか。国立青少年教育振興機構は今月、「小学生までに家族行事や地域活動などで多様な経験を積んだ人の方が結婚願望が強く、実際に結婚した人も多い」という調査結果を発表した。 自然体験や家事手伝いなど様々な体験を多く積んでいることが結婚願望に結びついていると指摘する。特に友達との交流が多い女性は、少ない女性と比べて「結婚したい」と答えた割合が16.3ポイント高かった。

 

■記者の目 政府は女性活躍推進を訴えて就労を促す一方、少子化対策として出生率の向上を図る。だが、保育所整備すら解決にいたっていない。笛吹けど踊らずというのが現状だ。実際に女性の多くは政府の都合の良い笛の音を不快に思っている。 キャリアアップを図る女性はガラスの天井に阻まれ、専業主婦でいようとすれば働けと追い立てられる。結婚したい女性が減るのは当たり前だろう。当事者の視点がなければ、どんな政策もかけ声倒れとなる。

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■男性は28ポイント減、低収入が影響

女性と同様に男性の結婚願望も薄れている。明治安田生活福祉研の調査によると20代男性で「結婚したい」と答えた人は38.7%と3年前と比べて28.4ポイント減った。恋人がいる割合も大幅に減り約4人に1人となった。独身でいる理由は女性とは異なり経済的な面が大きい。一番多かった答えは「家族を養うほどの収入がない」で27.3%だった。年収が高いほど恋人がいて結婚願望が強い傾向がみられる。年収200万円未満の男性で恋人がいる割合は9.8%だが、400万円以上では46.4%に跳ね上がる。一方、20代の女性の場合、年収による恋人や交際経験の有無に男性ほど大きな開きはみられなかった。同研究所では、「一定の年収がないと恋愛・結婚に前向きになりにくい傾向がみられる。特に男性の意識や行動に大きく影響している」と指摘する。若い世代で結婚願望が高まらないのは女性だけの課題ではない。

 

 

引用・参考元〔日本経済新聞朝刊2016年11月12日付〕NIKKEI STYLE(田中裕介)

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