安倍政権内の政治力学に異変…福岡知事選で“菅vs麻生”対立激化!とどのつまり安倍首相の影響力低下の兆し!?
会期延長することなく臨時国会が閉幕し、安倍首相は趣味のゴルフに繰り出すなど、弱小野党のもとで政権は安泰に見える。だが、ここへきて頼みの北方領土交渉の行方に暗雲が垂れ込め、マスコミ各社の内閣支持率はこぞって下落。そのうえ政権内の力学にも変化が起きている。
16日の日曜日。菅官房長官の姿は福岡県にあった。福岡市内での講演や昨年登録された世界遺産を視察して回ったのだが、その視察先での菅氏の行動が波紋を呼んでいる。
自民党の福岡県連は、来年4月の県知事選について、現職の小川洋知事が態度表明する前に公募での選考を決定。福岡の大ボスである麻生財務相は、現職とは別の候補の擁立を模索しているとされていた。
そんな中、菅氏が福岡入り。小川知事が菅氏の視察に同行し、小川氏が自らの知事3選について「不退転の決意で臨む」と出馬を伝えたところ、菅氏は「しっかり応援する」と応じたというのだ。
「麻生さんらが『小川降ろし』で動いていたとこに、菅さんが機先を制して小川支持を打ち出したということです。菅さんは麻生さんのテリトリーにまで足を踏み入れてきたわけです。もともと小川知事は麻生さんが擁立した人。しかし、保守分裂となった2年前の衆院福岡6区補選で麻生さんが推す候補を応援せず、以来、関係がギクシャクしている。その補選で菅さんは、麻生さんとは別のライバル候補を水面下で支援。結果は菅さんの勝利でした。菅さんは、今度は水面下ではなく表でも麻生さんと対立するのか」(地元政界関係者)
安倍政権において、菅氏の影響力はますます増している。臨時国会で大モメした改正入管法も、来年4月施行を急いだのは安倍首相より菅氏だったというのが専らだ。安倍首相はむしろ、移民拡大を嫌うシンパの右派との板挟みだった。JIC(産業革新投資機構)の高額報酬を問題視して世耕経産相に撤回させたのも菅氏だとされる。
■政治評論家の森田実氏の見解■
「総裁3選後の安倍首相には理想や目標が何もない。改憲も難しくなっていますしね。そうなると人心は離れ、政権内はガタガタしてきます。菅さんと麻生さんは、『ポスト安倍は自分が握る』と主導権争いを始めたということ。2人とも閣内にいるのでそれが目立たないようにしてはいますが、行動には野心が表れている。これからどんどんガタガタした動きが増えるでしょう」
菅vs麻生の激化は、安倍首相のレームダック化の裏返しでもある。
(私見)
しかし自民党のやっていることには、政策というものは全く関係ないんだとつくづく思う。「昨日の友は今日の敵」とよく言われるが、底流に流れているのは、「切った張った」の親分子分の人的関係のみだ。もともと政策とは無関係な党なのだ。こういう根底が存在するから、安倍首相の政治的動機は、自分に忠誠を尽くしているとか、友達とか、利害が一致するものとかにならざるを得ない。もし安倍の後に、菅が政権に就くとしても、内容が少しも変わらない、新たな「親分子分」の関係に代わる丈で、本質は何ら変わらないのだろう!
記事・画像 引用・参考元 日刊ゲンダイ
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