糖尿病網膜症を防ぐにはオメガ３多価不飽和脂肪酸含有量の高い食べ物を摂取する！
糖尿病の怖いのは合併症である。その中の1つに失明（糖尿病網膜症）がある。いまパラリンピックでいろいろな競技が行われ、日本選手の活躍が目立っている。中には視力の全然ない方の球技などがあるが、よくボールの行方などを、聴力のみで察知し、シュートまで的確に打つのを見て感動した。
ある番組で、健常者が目隠しをして、実際にボールを受け止めたり、足の間を通したり、キックしたりするテストをしていたが、非常に恐怖を感じ立っているだけでも大変な様子だった。事実ヒトは目からその行動をするについての情報を80％得ているという事であるが、それだけに視力を失うのは大変なダメージを負うという事だ。
そんな中、糖尿病による失明の過程でその危険性を防いでくれるという研究結果が発表された。中性脂肪や、コレステロールを減らす「オメガ３脂肪酸」のことである。スペインの研究者が、地中海食による心血管疾患の予防効果を検討したランダム化比較試験を解析した結果である。
この研究は、①地中海食を「エキストラバージンオリーブ（実を絞って濾過しただけの、化学物質の添加を一切しない、酸度が、0.8ミリグラム／100ｇを超えないもの）」で補強した群。②地中海食をナッツ類で補強した群。③すべての脂質を制限した群に分けたうち、55～80歳のⅡ型糖尿病患者3500人を対象にしたものである。検討したのは、糖尿病網膜症の治療が必要になった人を、理想的なオメガ３多価不飽和脂肪酸摂取量（500ｍｇ以上／１日）達成の有無で層を分け、それを比較したものである。中央値6年の追跡期間中で深刻な糖尿病網膜症が69件発症したが、理想的なオメガ３多価不飽和脂肪酸摂取量を達成した人は、達成できなかった人に比較して、48％も糖尿病網膜症リスクが低かったのです。
さて実生活の中で、どんなものを食べれば、オメガ３多価不飽和脂肪酸が多く摂取できるのだろうか？ それは鰯、鯵、鯖、サンマ、マグロ（トロなど）などの所謂青物【光物】の魚類、オリーブ油、エゴマなどです。さらに胡桃、アーモンドなどのナッツ類もお奨めです。
糖尿病網膜症は、糖尿病を発症してから、8～10年で発症するといわれています。既に糖尿病を発症しているようなら、オメガ３多価不飽和脂肪酸の多く含まれている先ほど上げた食品を意識的に摂取するよう心がけるとよいと思われる。食事制限と運動も併せて。
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