分子栄養学が明かす活性化の原理!三石巌が提唱した生体活性化の理論!
分子栄養学とは物理学者である三石巌が提唱した考え方であり、特に高タンパク、高ビタミンと活性酸素の除去がその理論の重要部分となっています。 ここで言う「分子」とは、口に入る食品を分子レベルで考えるのではなく、受け入れ側のからだを分子レベルで考えるということです。 分子栄養学では特に遺伝子の分子に着目し、遺伝子をフルに活動させるためには何の栄養物質がどれだけ必要かということに着目したのです。
誰もが一度は遺伝子やDNAといった言葉を耳にしたことがあると思いますが、簡単に言うとあらゆる生命の「設計図」の事です。 更に厳密に言えばこの「設計図」とはタンパク質の構造を暗号化したものだということになります。 動物の骨や筋肉、皮膚、内臓などすべての組織はタンパク質で構成されており、この「設計図」に従って作られています。 老化や病気などはこの「設計図」通りに作られなくなることが原因の一つであると提唱者である三石巌は考えました。
では、「設計図」通りに作るためにはどうすればよいか? それには良質なタンパク質とその合成に必要なビタミン、またそれらの機能を円滑に進めるミネラルが充分に摂取されて生体に行き亘っていることが必要です。 特にビタミン、ミネラルの必要量は人によって、又同一のヒトでも状況・状態によって違うのでその時々において充分な量をとることが重要でると考えました。(カスケード理論を参照)
カスケードとは段々滝を意味する英語ですが、この滝に流れる水をビタミン・ミネラルに置き換えてみる。沢山の水車が上から下に向かって階段状に並んでいる様子を想像してください。 この水車が回ればタンパク質が合成されると仮定し、上から下に流れ落ちる水をビタミン・ミネラルと想定しています。 生体内でタンパク質を作るために起こる化学反応は、3000種類以上あると言われています。 つまりこのカスケードには1000の桁もの段数があることになります。
段々に並べられた水車は、人によって順番が違います。例えばかぜを予防する物質の水車が一番上にある人もいれば、一番下にある人もいます。 流れ落ちる水(ビタミン・ミネラル)の量が少ないと、上の方にある水車は勢い良く回転しますが、下の方の水車はビタミンが届かないので非常に弱い回転化、或いは動きません。 ビタミンの摂取量が少ないと下の方にあるタンパク質をうまく作ることができないことになります。 しかも順番には個人差があるので、例えば微量のビタミンでかぜ予防物質を作れる人もいれば、同じ量でかぜ予防物質のところまでビタミンが届かない人もいます。 前者はかぜをひきにくく、後者はひきやすいということになります。
このような食生活を行うことにより病気などのリスクは下がったり、上がったりしますが、もう一つ重要な要素として、諸悪の根源、「活性酸素」を除去することも大切であると考えています。 生命の維持に酸素は不可欠ですが、その一部は「活性酸素」になり、遺伝子や細胞を傷つけ、病気の90%の原因となっているといわれています。 これを除去することによって更にリスクを下げることができると考えました。
高タンパク、高ビタミン、活性酸素の除去、これが三石巌の提唱した分子栄養学(三石理論)の3つの基本項目です。
引用元
参考
「脳細胞は甦る 分子栄養学が明かす活性化の原理」 三石巌著 クレスト社
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