いよいよ追い込まれたJR北海道、経営努力も限界か? 本業で大ナタ 維持困難路線発表

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いよいよ追い込まれたJR北海道、経営努力も限界か? 本業で大ナタ 維持困難路線発表

 

旧国鉄以来の効率化、多角化も限界

経営難に喘ぐJR北海道が鉄道事業の抜本的な見直しを正式に表明した。これまで国鉄時代からの不採算路線の廃止や人員削減など効率化を進めてきたが、基金運用益の減少や地方路線の低迷が響き、本業で大ナタを振るわざるを得なくなった。来春に発足30年の節目を迎えるが、道内では鉄路が「頼れる足」ではなくなる恐れもある。

 

JR北海道は1987年4月、国鉄分割・民営化に伴い、3千キロを超える路線を継承して誕生した。88年3月に青函トンネルを通る海峡線(87・8キロ)の開通はあったが、国鉄時代に廃止が決まっていた天北線(南稚内―音威子府間、148・9キロ)などの長大路線や産炭地の路線を次々に廃線。95年に深川―名寄間の深名線(121・8キロ)を廃止し、現在は発足時に比べ、19%少ない2568・7キロで営業している。

 

路線は減ったが、人口が集まる札幌圏での近距離利用の増加などから、2015年度の旅客輸送人員は発足時より4割多い約1億3400万人となるなど、むしろ増えているのが実態だ。ただ、鉄道運輸収入は96年度の800億円をピークに減少傾向にあり、昨年度は約685億円と発足時より1割多い程度でしかない。87年頃に約170キロだった道内高速道路網が今は6・5倍に延び、航空路線の拡充も重なって、柱となる中長距離輸送で苦戦を強いられているからだ。

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こうした本業の不振を補うため、JRはJRタワーを核とした商業施設をはじめ、スーパーやホテルなど多角化を図ってきた。鉄道以外の「非鉄道事業」が全売上高に占める割合は6割と、先月に株式上場したJR九州と同水準に達する。

 

ただ、11年の石勝線の特急脱線炎上事故を皮切りに、トラブルが相次ぎ、それまで怠ってきた安全投資に資金を重点配分せざるを得なくなった。老朽化した橋やトンネルの修繕費もかさみ、17年3月期のJR単独の経常赤字は過去最悪の235億円まで膨らむ見通しだ。赤字補填のため積まれた6822億円の非鉄道事業も超低金利の影響で、運用益が当初想定の45%に当たる226億円(16年度見込み)まで減っている。

 

「できれば鉄路を維持したいが、もう背に腹は代えられない」とJR幹部は漏らす。単独で維持する方針を明確にしているのは、北海道新幹線の札幌延伸分も含め11区間1150・7キロ。現路線の約半分に当たる13区間1237・2キロについては今後、バス転換や資金負担などを沿線自治体に求めていく。企業存続を模索しながら、公共交通を担う責務をどう果たすか。進む道はかつてなく険しい。

 

引用・参考元 ヤフーニュース<北海道新聞>

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161119-00010000-doshin-hok

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