自虐ネタ「水中に沈んだ」民進党!当っているだけに笑うに笑えない!再生の道はあるのか 民進OBに聞いてみた!
民進党の野田佳彦幹事長が4日の年頭会見で「我々はもはや背水の陣どころではなく、既に水中に沈んでいる。そこからどうやって浮き上がるか、覚悟が問われる」と語り、「ほほう、自分らの置かれた状況をちゃんと自覚しているじゃないか」と評判になった。しかし、そんな感心のされ方をしていたのでは、遅かれ早かれ解散・総選挙必至とみられる今年の政局を乗り切れず、本当に土左衛門と化して沈みっぱなしになりかねない。本当になさけない!
■「再生の道はあるのか」と、元閣僚級の民進党OBに聞いてみた■
「ひとつは、アベノミクスが完全に失敗に終わったというのに、それに取って代わるべき経済観、国家像を提起できていない。野田は『税と社会保障の一体的改革』のための「消費増税を打ち出して政権を潰した張本人」なのだから、そこに徹底的にこだわって、日本型の福祉社会の構想を、財源問題、財政再建策を含めて分かりやすく掲げればいい。その場合に『安倍はまだ成長、成長ばかり言っていて、まるで発展途上国。今はもう成熟先進国として質的充実を目指す時代でしょう』と文明論的な転換を訴えなければダメだ」と彼は言う。
それが打ち出せれば、確かに将来への大きな選択肢を示しつつ、政権交代を目指すという構えがとれるかもしれない。しかし、そこから入ると、共産党を含む4野党の選挙協力は難しくなりそうだというジレンマを抱えてしまう!
「共産党は消費税そのものに反対の立場だから、そこでは一緒にやれない。しかし、先の参院選が反安保法制、立憲主義で1人区の協力が成立した様に、安倍政治の危険な流れを止めるという「シングル・イシュー的な協力」は可能だろう。小泉純一郎元首相も加えて『脱原発』一本で共同戦線を張るのも面白い」とのことだが、いやあ、脱原発となると連合労組との関係がなかなか大変だろう。
「連合の顔色なんかいつまでも伺っているから、民進党は浮上しないんだ。労組の組織率はわずか17%で、その7割が連合で690万人。「民間大企業労組」が幅をきかせる『労働貴族クラブ』だ。そんな連中に蓮舫代表は『相思相愛』とか媚を売っているが、それより、8割が原発再稼働に反対という本当の庶民や地方の切実な声に耳を傾けなくては、民進党の再生はない。したがってまた、安倍政権をひっくり返すような本格的な野党共闘もできないだろう」というのが、民進党OBの手厳しいアドバイスだった。
<私見>単独で選挙に臨んでも、民進党は勝てないんだから、野党が共闘し、自・公に対決していくしかない。そういう大命題のところに、やれ「政策が違う」「魂は売れない!」などと言っていて離反すれば、反国民的政策を展開する安倍内閣を利するという結果を招く。本来野党第1党の立場からすれば、民進が率先して纏めて、先に進むべきなに、逆に「共闘を崩している」んだから世話はない。自民からの「野合だ」という感情論を許す結果になっている。<それを言うなら自公だって野合である。同じ立場なのに一方的に揶揄される筋合いはない> ここは1番、「反安倍・反原発」で共闘を組み、安倍政権を引きずり下ろすことが先決だろう!チャーチルは、ナチスの台頭する情勢の中で、それを阻止する為に、共産党とも手を組んだ。政治とはそういうものだろう! 野党第1党の民進がそれさえ解っておらず、腰がフラフラして、結果的に自民を利する様なことをしでかしているのだから、支持も集まらず、従来の民進を評価して投票していた層も離反していくんだからこの党に未来はない!それでいて、幹事長が年頭会見で、「既に水中に沈んでいる」などと、自虐ネタを披露しているんだから、(誠に当っているだけに)「笑うに笑えない」状況に陥っている。ここは「小異を捨てて大道につく」ではなく、「小異を残して大道につく」という発想で行くべきなのだ!
実際野党共闘すれば、50~90議席がひっくり返る可能性があると試算されている。しなければ与党で2/3の議席は先ず動かないとなれば、(野党からすれば)誰が考えたって、共闘党すべきという結論にならざるを得ないだろう! それを腰の定まらない民進が共闘に対して「竿を差す」様なことがあれば、自公を利する結果となり、民進は「国民を裏切った」という評価になり、それこそ消えゆく存在にならざるを得ない。自虐ネタを振るだけで、何もせず(出来ず)傍観している幹事長の責任は重い。
高野孟ジャーナリスト プロフィール
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
引用元 日刊ゲンダイ
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