生体内で不要とばかりに盲腸の手術で切除されてきた虫垂、実は進化した器官で役立っているらしい!えらいこっちゃ!
■人体に不要なものなんてないんです!■
進化の世界において、虫垂ほど科学者たちを悩ませてきた器官はない。かの有名なチャールズ・ダーウィンは、昔、霊長類が樹上生活をしていたころ、木の葉を食べて消化するために使われていた器官だと主張。不要になってから、随分と長い歴史を経てきたものの、いまだに人体に虫垂として残り続けていると説かれもしてきました。
ところが、このほど電子ジャーナルの「Comptes Rendus Palevol」に発表された論文によれば、虫垂は進化に逆行するどころか、身体に必要なものとして進化を遂げてきた重要な器官だと説明されています。虫垂なんて不要と盲腸の手術で切除してしまうと、却って人体にはダメージが及ぶとも指摘されている。
同論文の発表のもととなる研究には、欧米各国および南アフリカの大学の研究者たちが参加。世界各地で533の哺乳類を調べ、虫垂の働きを調査しました。虫垂をもたない哺乳類も少なくはないものの、1つの種のなかに虫垂を有する個体が出ると、種の繁栄に伴って虫垂が消えることは殆どないことが判明した。
また、虫垂を有する哺乳類と虫垂をもたない哺乳類を比較してみると、虫垂を有する哺乳動物の方が、盲腸内にリンパ組織による高い免疫系が整っていることが明らかだった。虫垂のリンパ組織は、特定の良性バクテリアの成長を活性化させ、腸内細菌の培養に役立っていると説明されている。
免疫を高めるうえで、虫垂が重要な役割を果たしているということは、盲腸の手術なんかで切除してしまったらいけないのでしょうか? 通常の生活に支障をきたすことはないそうですが、今回の発表論文では、虫垂切除後に若干の免疫力低下は避けられないと警告されている。
病気の快復に、少しですが周囲より時間がかかるといった傾向も観察されているとか。虫垂の役割と盲腸の手術における扱いが、見直されることになりそうですよね…。
とはいえ「炎症を起こしている」から切除しているのであって、何もなくて切除するなんてあるのだろうか!? 「お前が調べんかい!」 「後日の課題にしてください! エライすいません!」
記事・画像引用・参照元 Excite News<ギズモード・ジャパン(湯木進悟) >
・我々のお腹には未知の臓器があった
image: edwardolive / Shutterstock.com
source: Comptes Rendus Palevol
George Dvorsky – Gizmodo US[原文]
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