「食原性症候群」という本を読むと、食事の乱れが原因で、精神的な症状を呈す例が紹介されている。「精神病なんて精神的な原因で起きると思っていたのに、食事が原因なんて!」と面食らう人が実に多い!現在の食材の問題(ミネラル不足と農薬などの問題)や、食事の乱れは、実は頭まで狂わせるところまで来ている。登校拒否、家庭内・校内暴力などの陰に、これらの問題が横たわっている。
「精神医学」という学術専門誌で、福岡大学チームが発表した調査結果がある。この調査では、450人の精神病入院患者を調べたら、35人にペラグラ(皮膚に赤い斑点が発症し、精神にも異常をきたす)的症状がみられ、そのほかにも16人は完全にペラグラであった。そうしてこの患者たちに、ナイアシン(ビタミンB3)を摂取させたら、劇的に症状が改善されたという。
ペラグラは精神的病状を呈するが、今では単なる「ナイアシン(ビタミンB3)欠乏症」とされている。嘗てアメリカ南部や、イタリアの貧しい農民に多発した病気だが、今の豊かだと言われる日本において、こんな病気が随分と増えているらしい。「豊かさの中で、奇妙な貧しさ」で、脚気が現在結構多いのと同じ現象(ビタミン欠乏症)である。
世界的なアレルギーの研究者、ランドルフは、「頭にくる」食物アレルギーの増加に対して警告を発している。もともと脳は一番アレルギーの影響を受けやすい敏感な器官であり、そういうアレルギーを持つヒト(特に子供)は、アレルギー発症時に、同時に「狂った」症状を呈するという。こういうアレルギーは昔からあった筈(花粉だって昔から飛散していた筈だ!)だが、食の乱れが激しくなって、体も脳も弱体化した中で、最近顕在化したものだろう。だから背後に「食原性の原因」があるという事になる。
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