(視聴注意!)未知に対する解明の情熱! 魂の重さは本当に21グラムか? 死の瞬間を計測し続けた科学者、もうひとつの発見

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未知に対する解明の情熱! 魂の重さは本当に21グラムか? 死の瞬間を計測し続けた科学者、もうひとつの発見

 

量子力学、多世界解釈、超ひも理論、ダークマター、etc……。現在の最先端のサイエンスが直面している問題は一般の文系人間(!?)にはまるで見当もつかない話ばかりだが、ある種の”超難題”に科学の名の下で挑む好奇心溢れる熱血漢はもちろん昔から少なからず存在している。今から100年以上も前に”魂の重さ”を計ろうとしたダンカン・マクドゥーガル博士もその一人だ。

【その他の画像はコチラ→http://tocana.jp/2015/11/post_7961.html】

■死後に失われる”21グラム”の正体をめぐって論争■

今をさかのぼること百年以上前、米・マサチューセッツ州の医師であったダンカン・マクドゥーガル博士は不可解な一連の実験を行なっていた。入院している瀕死の結核患者が横たわるベッドを当時の最新型の精密な秤で計量し、死の直後の体重の変化を調べたのだ。記録によればマクドゥーガル博士は6人の末期患者を計量し、死の瞬間に立会ったという。しかしいったい何の目的で、死の前後の体重の変化を調べたのか? それは死後に肉体を離れていく”魂の重さ”を割り出すためだったのだ。

 

もちろん遺体を死後そのままにしておけば僅かずつ乾燥していくため軽くなることは明白で、この実験でも確かに死後、時間が経つにつれて遺体は軽くなった。そこで博士は死後に失われる体液やガスも考慮に入れて入念に計算し、人間の”魂の重さ”は4分の3オンス、つまり”21グラム”であると結論づけたのである。

 

ちなみに同じように15匹の犬を計測した実験も行なっており、犬の場合は人間と違って死後に”21グラム”が失われていないと結論づけられている。

 

マクドゥーガル博士は1907年にこの研究を学術誌で発表したところ、米紙「The New York Times」がこれを大々的に取上げて、広く世に知られるところとなった。しかしこの研究発表はアカデミズムの世界では疑問視されており、外科医のアウグストス・クラーク博士とマクドゥーガル博士との間で書簡での討論が行なわれ、引き続き「The New York Times」の紙面で連載された。

 

懐疑派を代表するクラーク博士によれば、死の直後は呼吸が止まって血液の冷却が止まるので、一時的に体温が上がって発汗が促進されるという。この一時的な発汗の水分が”21グラム”だと主張している。これに対してマクドゥーガル博士は死の直後には血液の循環も止まっているので体温は上がらないと反論。こうして読者の支持を二分した公開紙上討論がその年(1907年)一杯続いたのだ。

 

新聞読者の多くの支持を受けていた”21グラム”説だったが、やはり学問の世界では疑問視する声が多く、「Snopes.com」などの記事によれば、秤の性能を含む実験環境への疑問から、少ないサンプル数を指摘する意見、計量した6人のうち望ましい結果になった1人のケースだけが発表されているのではないかという嫌疑などが幾人かの学者によって発せられていたようだ。

 

■死の瞬間の人間の頭部には「星間エーテル」にも似た光が取り巻いている■

 

ダンカン・マクドゥーガル博士 画像は「Historic Mysteries」より

止むことのない批判の声に晒されて、マクドゥーガル陣営はいったん沈黙を余儀なくされるかたちになったということだが、1911年に再びマクドゥーガル博士が「The New York Times」の一面トップを飾ることになる。今回の実験では魂の重さを計るのではなく、魂の写真を撮影していることを発表したのだ。つまりマクドゥーガル博士は次の段階の実験として患者の死の瞬間を撮影しているというのだ。

 

どのような写真が撮られたのかは情報が少なくてよく分からないのだが、マクドゥーガル博士は十数人の末期患者の死に立会い、実際に死の瞬間を撮影したという。博士によれば、死の瞬間の人間の頭部には「星間エーテル」にも似た光が取り巻いているという。この光が肉体から離れていく”21グラム”の魂であるというのだ。ちなみに星間エーテル(interstellar ether)とは中世の物理学の概念である”エーテル理論”に基づく天界を構成する物質のことだ。もちろん現代の科学では否定されている。

 

……この新たな実験は人々をなかなか複雑な心境にさせたのかもしれない。つまりこの実験でマクドゥーガル博士は完全にアカデミズムとは離れた”あっち側”の人間として認識されることになってしまったようなのだ。

 

しかし一部のオカルト好きの間では博士を根強く支持する者も少なくなったという。ともあれこの9年後、マクドゥーガル博士は54歳という若さで亡くなり、その魂は文字通り星間エーテルへと還っていったのだ。

 

しかしマクドゥーガル博士の研究に対する情熱と”21グラム”の魂はその後の脳科学や実験心理学といった学問の分野をはじめ、小説やマンガなど様々なジャンルで今日でも影響を与えている。2003年にはこの”21グラム”のアイディアに触発されたというその名も『21グラム(21 Grams)』という映画も製作された。百年前よりは着実に進んだ科学技術の恩恵を受けている我々であるが、一方で広大な宇宙の96%は我々には観測できない物質であるダークマターとダークエネルギーで満たされているという学説が我々に衝撃をもたらしている。この宇宙の96%がまだ人間には理解できていないとするなら、中世の”エーテル理論”を時代遅れと一笑に付すことはできないとも言えそうだ。科学だけではなく、政治、経済の混迷も深まりを見せている昨今、むしろ時代はマクドゥーガル博士の情熱を必要としているのかも知れない。

 

 

記事・画像 引用・参考元 Excite News <Tocana>(文=仲田しんじ)

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