究極の取り決め違反! 専門家が指摘 年金!「手始めに東京五輪前に支給開始を68歳に」
今月10日、自民党「一億総活躍推進本部」が不気味な提言を行った。「65歳までは『完全現役』、70歳までは『ほぼ現役』、65~74歳は『シルバー世代』として、“支え手”に回っていただける社会の構築を目指す」――。主語が書かれていないためよく分からないが、原則65歳の年金支給を70歳に引き上げるための布石のようだ。
■国は打てる手はもう打ち尽くしてしまった■
昨年末、年金支給額を抑える改正国民年金法を与党と日本維新の会の賛成多数で可決。選挙が怖くて手を付けられなかった“受給者の給付減額”についに踏み切った。これまでは現役世代の負担増で何とかしのいできたが、それも限界がある。段階的に引き上げてきた厚生年金の保険料率は最終年である今年の18.3%(労使折半)をもって固定。月額報酬60万5000円以上のサラリーマンで計算すると、04年は月8万4196円だった保険料は、今年は約3万円増の11万3460円になっている。これ以上の負担増を現役世代に迫れば、さすがに猛反発を食らいかねない。
今後、年金はどうなってしまうのか。社会保険労務士で「ブレイン」代表の北村庄吾氏が厳しい口調でこう指摘する。
「これまで政府は現役世代の受給額を減らすことで年金財政を維持してきましたが、ついに受給している世代の年金にまで手を付け始めました。あと残された道は、年金支給開始年齢の引き上げと年金加入期間の拡大です。現状の年金財政を考えると、あまり悠長なことを言ってはいられず、東京オリンピック前には支給開始を67~68歳に引き上げようという議論が出てくる。小泉進次郎議員などが『今の70歳は若い』と言っているのも巧みな世論形成の一環で、年齢引き上げは待ったなしの状況です」
■保険料は2030年をめどに65歳まで徴収■
なにしろ、1950年に11人の働き手で1人の高齢者を支えていたものが、2015年は2.3人で1人を支え、これが30年には1.8人に1人と“肩車状態”になる。どう考えても収支決算が合わない。
原則65歳となっている現行の年金支給開始を数年のうちに67~68歳にし、30年ごろには「原則70歳まで引き上げる」のが、政府の描くシナリオだ。
仮に30年に70歳支給開始に変更し、現役世代を69歳までとすると、2.6人に1人が高齢者を支える格好になり、今と変わらない状態がつくれる。
さらに政府内では保険加入期間を拡大することも検討されている。「20~60歳未満」の40年間の加入期間を「20~65歳未満」の45年間に増やすのだ。30年にその対象となる人は823万人(内閣府)で、その全員を国民年金(現在は月額1万6490円)に強制加入させると、年間1兆6280億円の増収。70歳まで加入なら、さらに年間1兆4560億円が増える。
「そもそも、現在の賦課方式で年金制度は維持できない。働き手が納めたお金を将来受け取る積み立て方式しかあり得ないのです」(前出の北村氏)
今だいたい50歳以下の人は年金は65歳まで保険料を払い、受け取るのは70歳からになる。これが民間企業だったら、詐欺罪で、即逮捕だ!また年金資金を博奕に使うなどは「背任罪」だ! いずれも平然とおこなわれている!
記事・画像 引用・参考元 日刊ゲンダイ
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