Ⅰ型糖尿病の発症が秋口に増える!糖尿病とHbA1cの豆知識!
Ⅱ型糖尿病の話です。赤血球中のヘモグロビン分子が、血液中のブドウ糖(血糖)と結合してできたものが、糖化ヘモグロビンです。血糖値が高い人ほどより多くできることが分かっています。HbA1cは全ヘモグロビン分子の中で、糖化ヘモグロビンに変化した割合を示した値です。例えばHbA1c数値が「6.0」ならば、全ヘモグロビンのうち、6%が糖化ヘモグロビンに変化しているという意味になります。糖化ヘモグロビンは1~2ヶ月の間で、半分以上が分解され入れ替わっていくため、HbA1c値は直近1~2ヶ月間の平均血糖値を反映しているといわれています。
HbA1cの基準値は「6.2」とされています。以前は「5.8」という数値が基準とされていました。しかし国際基準と比較して余りにも低かったので、2012年に6.2に変わりました。(因みに基準値はこういうような変更がよく行われます。このケースは基準値が緩和された例ですが、高血圧の基準値などは、逆で、1960年 150-100、70年160-95であったものが、1993年 140-90 と変遷。実際は年代別とか、境界域高血圧とか、いろいろ解釈があるようですが、日本の場合は高血圧症の患者数が増える傾向が強く出た)
秋になるとHbA1cの数値が平均して「0.2~0.3」ほど下がる傾向になります。とりわけ9~10月が1年を通して最も低くなることが分かっています。逆に春先にはHbA1cが上がります。春先HbA1c数値が高かった人は、秋口に検査を受け直してみたらどうかとのことです。(ただしこの件はⅡ型糖尿病の場合です)
遺伝や自己免疫疾患が原因でインスリンの産出が出来なくなるのがⅠ型糖尿病ですが、この場合、一生涯インスリンを打ち続けなければなりません。子供が発症しやすい病気ですが、どういう訳か秋口になると増え始めるのです。(ドイツで12年間に亘り行われた疫学調査の結果)、春から夏に掛けて発症率が下がり、秋から冬に掛けて上昇する傾向にある。最低の7月に比較し、最高の1月では、1.5倍高いという。なぜこのような結果になるかについては解明できていません。
※日刊ゲンダイ 「ご用心 氏を招く病気は秋に発症する」シリーズ。長浜バイオ大学医療情報学 永田宏教授。コラム参照。
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