広範囲で相次ぐ大震災の誘発地震が増加している! 「古傷」に数十年は警戒を!100年警戒の例もある!

 

東日本大震災から6年が経つが、東北や関東地方では地殻変動に伴う誘発地震が相次いでいる。目立つのは岩盤が引っ張られて起きる正断層型の地震だ。専門家は発生確率の高い状態が数十年続くとみており、油断は禁物と言っている。(原田成樹)

 

東日本で起きる地震は通常、岩盤が圧縮されて壊れる逆断層型が多い。日本海溝から沈み込む太平洋プレート(岩板)が、東日本を乗せた陸側プレートを西に押しているためだ。

 

しかし両プレートの境界でマグニチュード(M)9・0に及ぶ大震災の巨大地震が発生し、陸側が沖へ最大約65メートル動いたことで、東に引っ張る逆向きの力がかかるようになった。

この影響で正断層型の地震が大幅に増加。大震災で誘発された10回のM7級のうち、正断層型は6回を占める。最大1・4メートルの津波が起きた昨年11月の福島県沖の地震や、最大震度6弱を観測した翌月の茨城県北部の地震も、このタイプだった。

 

■動いた正断層■

 

中でも震災1カ月後に福島県東部で発生し、4人が死亡したM7・0の地震は研究者たちを驚かせた。大震災後の内陸の正断層型としては最大規模で、大きな地震が少ない地域で起きたからだ。

 

ほとんど活動しないと思われていた2つの活断層が動き、人の背丈ほどの段差を持つ断層が地表に現れた。めったに動かない断層は地下に隠れていることも多く、思わぬ被害を招きかねない。

 

この地震は当初、東西に押さえ付けられていた断層が急に引っ張られたことで動いたとされた。しかし、産業技術総合研究所の今西和俊・地震テクトニクス研究グループ長は「この仮説では以前に押さえていた力が非常に小さくなって矛盾する」と考えた。

 

今西氏は過去の小さな地震のメカニズムを分析。この地域では以前から正断層型が頻繁に起きており、大震災後に引っ張られてさらに起きやすくなったことを明らかにした。東北地方は一枚岩ではなく地下構造などが不均質なため、普段から引っ張られている場所もあったわけだ。

 

■5地域で急増■

 

増えたのは正断層型だけではない。東北大の遠田晋次教授(地震地質学)は、M2以上の発生率が東日本の5地域で大震災後に10倍以上に急増し、地震のタイプはそれぞれの地域で特徴があることを発見した。

 

福島県東部の地震などが起きた福島・茨城県境や、千葉県銚子市周辺は正断層型が増加したのに対し、秋田市や北秋田市の周辺は横ずれ断層型、福島県喜多方市周辺は逆断層型が増えていた。こうしたタイプの地震が発生しやすい素地があったとみられる。

 

遠田氏によると、日本列島はかつてユーラシア大陸の東端にあったが、日本海の拡大などで今の場所に移動した。その長い歴史の中で多くの断層が傷として刻まれた。大震災で非常に大きな震源域が動き、東日本にかかる力を広い範囲で変化させたことで「いろいろなタイプの断層を表舞台に出した」と表現する。

 

■100年以上も■

 

こうした研究は地震学の進歩にも役立つ。1938年に福島県沖で多発し、死者1人を出したM7級の地震は従来、プレート境界の逆断層型とされていたが、陸側プレート内の正断層型との見方が強まっている。政府が公表している地震の長期予測の修正に発展する可能性も強い。

 

誘発による地震発生確率の上昇は、普段から力がかかってひずんでいる場所では比較的早く解消されるが、そうでない場所では長引く。1891年に岐阜県で起きた国内最大級の活断層地震の濃尾地震(M8・0)では、100年以上たった現在も周辺で微小な誘発地震が続いている。

 

遠田氏は「大震災で確率が上昇した地域が元の状態に戻るまでに20~30年以上、場所によっては100年以上かかるので備えが必要だ」と警告している。

 

 

記事・画像 引用・参考元 Yahoo News <産経新聞>

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170305-00000509-san-soci